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平成30年度                                                           四季の森公園の植物へ
4月
4月5日(木)

カツラの花? アキニレの冬芽 ナツツバキの冬芽 カタクリ サンシュユの樹

サンシュユの花の名残 マンサクとカタクリ カタクリ コブシ

4月5日(木)

  暖かい日が続く、3月25日、久しぶりに四季の森公園へ出かけた。そろそろカタクリが開くのではと思い期待していた。

北口を入ると、カツラの樹に変化が見られた。先日は冬芽が赤くなってきたのを確認している。今日見ると葉が出ている。大分変わってきていると思い、望遠写真を撮ってみた。すると、葉が出ているだけでなく、紐状のものが見え、垂れ下がり出している。下記の資料によると、カツラは雌雄が別株だという。この樹は雄株のような気がするが、もう少し資料を集めないと判断が難しい。
 資料:https://matsue-hana.com/hana/katura.html

 はす池前の広場のハルニレの冬芽を見ると、白色のものが牙のように出てきている。資料によると、2月下旬には花を付けている。ここのハルニレは成長が遅いのかも知れない。いろいろな資料にあったったが、写真のような状態を記載したものは見つからなかった。この牙が何になって行くのだろうか、見届けたいと思っている。
  資料:http://zasshonokuma.web.fc2.com/hagyo/ha/harunire/harunire.html

 ナツツバキの冬芽が緑白色になっている。先日は冬芽の外側の皮が未だついていた。今はもうその皮はなく。なっている。元の方は灰色の毛に覆われた芽鱗だが、上の方は芽鱗の地が緑で、毛は白色のようだ。成長すると、全体が白銀色に変わる。

 橋を渡ったところにカタクリが見えた。ここは先日フクジュソウがあったところである。カタクリの花弁は開花した時、跳ね返る。日が出ていないときはこの花弁は反り返らず、ラッパ状にまですぼまっているという。
 資料:http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/liliaceae/katakuri/katakuri4.htm

 はす池沿いにサンシュユの樹がある。今まで山側へ目が行っていたので、ここにサンシュユの樹に気が付かなかた。今日見ると、花の名残が少しあるが、幹の樹皮が剥がれかかっているのを見て、これはサンシュユの樹と分かった。

 マンサクの樹の下にもカタクリが見られた。若しかしたらこの前山全体にカタクリが芽生えているのかも知れない。マンサクにはもう花が残っていなかった。

 高い所に白色の花が咲いている。この樹はコブシである。コブシの花の様子は分かっているが、高い所の花を撮影した。コブシの花弁は6枚というが、数えてみると、6枚以上ある。外側の3枚は萼で、この3枚は花弁よりやや小さいという。しかし、この写真でははっきりしていない。

撮影:3月25日
  記  平成30年3月31日(土)
4月6日(金)

タチツボミスミレ ミズキ ミズキ:冬芽から出始めた新葉 ヤマザクラ ヤマザクラの花

満開のナノハナとユキヤナギ、コブシ ベニシダレ ベニシダレ ミツバウツギの蕾 ミツマタ

ミツマタの花 ソシンロウバイ

4月6日(金)

 タチツボミが咲いていた。いま目にするスミレを見た時、葉の形を見ることにしている。その時、葉の形がハート形ならば、タチツボミスミレと見ている。つい先日、下記の資料で、タチツボミスミレの花のつくりを確認したので、それに基づき上弁、側弁、下弁の線模様を再度確認した。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2679.html

 池側にミズキの樹がある。この樹は、ここへ最初に来た時は気が付かなかった。幹は灰白色で、薄らと、縦方向に線模様が見られる。この模様は、ミズキの樹と判定する1つの手掛かりになるが、中々判断が難しい。先日この樹の冬芽を見て、ミズキになるだろうと見ていた。ミズキの冬芽は楕円形で、赤褐色である。今日見ると、赤褐色の冬芽の先が開き、薄い緑色の葉が出始めて来た。新葉には、ミズキ独特の葉脈が見える。

 この前山にはヤマザクラがある。ソメイヨシノが咲き始めたので、そろそろ咲くかもしれないと思い、開花を期待していた。ヤマザクラのところへ来ると、花が咲いていた。ヤマザクラはオオシマザクラと同様、花と葉がほぼ同時に出てくる。下から確認したが、花は皆高い所にあるので、明確には分からなかった。写真を撮ってみると、枝の先端の葉があるのは分かったが、オオシマザクラ程明確な葉の存在はわからなかった。花は白色が強く、オオシマザクラとの区別が難しい。

 ショウブ園へ来た。ここから右の畑を見ると、ナノハナが綺麗に咲いている。先日は背丈が低く、花数も少なかったが、最盛期を迎えているようである。後方の白色の花は左がユキヤナギ、右の大きな樹はコブシである。後ろのバックを気にしないで撮影したが、白色と黄色の彩色が綺麗である。

 ショウブ園の入り口にピンクのシダレザクラがある。四季の公園へ来て初めて見たシダレザクラである。シダレザクラはエドヒガン系なので、萼筒を見た。萼筒には膨らみがあり、毛がある。確かにエドヒガン系である。花弁は一重で、赤みがかっている。このシダレザクラは、名札ではシダレザクラとなっているが、詳しく言えばベニシダレになるようだ。シダレザクラは、萼筒と萼の間の凹みが深いので、萼筒の膨らみが大きく見える。それに対し、ベニシダレはこの凹みが浅く、寸胴に見える。

 シダレザクラの傍にミツバウツギの樹がある。先日まで冬芽の姿だったが、新葉が出て、その先に蕾が現れていた。蕾は丸い粒のように見えたが、よく見ると、多少変形し出しているようだ。

 同じところにミツマタがあり、白色が目立っている。ミツマタの花は周りから中心へ向けて開花が進み、開花後は黄色が薄くなって行くという。白色が目立つということは、花期が終わりに来ているといえる。

 ミツマタの隣にロウバイがある。このロウバイはよく言われるソシンロウバイでなく、満月ロウバイか和ロウバイのようである。何方になるか、課題になっている。このロウバイも時が過ぎると、花がなくなり、棒状に変わって仕舞っている。

撮影:3月25日


  記  平成30年4月4日(水)


4月7日(土)

コナラの冬芽の成長 エゴノキの新葉 ヤマザクラ キブシ キブシの雄花

マユミの蕾 ヤマグワの伸びた枝 ヤマグワの冬芽の成長

4月7日(土)

 ショウブ園の手前の前山にはヤマザクラやコナラ、クヌギ等の樹木がある。コナラを見ると、冬芽が開き、緑が見え始めていた。その緑を見ると、緑色の粒が沢山見られるところから、新枝に葉芽が付いたもののように思える。芽鱗には冬芽当時の名残がはっきり認められる

 エゴノキと思われる黒っぽい幹から伸びた枝を見ると、新葉が一斉に上へ向かって伸びていた。手を合わせたような格好していている葉の姿に興味が惹かれた。エゴノキの冬芽は裸芽で非常に小さかった。それが突如このような姿になると、エゴノキだったか自信が無くなってくる。冬芽の名残があるか見たが、もう何も残っていない。小さかったことを考えれば、当たり前かもしれない。そこで、資料に当たって確認した。エゴノキの新葉の写真が記載されている資料は中々見つからなかったが、下記の2点が見つかった。いずれもこの写真の様に新葉は手を合わせたように上を向いている。
 資料:http://lifenote0512.net/tag/%E3%82%A8%E3%82%B4%E3%83%8E%E3%82%AD/l
 資料:http://satu-nature.at.webry.info/200603/article_28.html

 ヤマザクラの枝が手の届く位置まで伸びていた。先程見たヤマザクラは高木であったが、この枝だと、蕾の様子を知ることが出来る。ただ、咲いた花がないのが残念だ。花弁は淡いピンク色をしており、萼は赤褐色で、萼筒から花柄へ進むにつれ、赤褐色から緑色へと変わっている。萼、萼筒には毛がなく、滑らかである。

 芦原湿原に沿って進んで行くと、日陰になったところにキブシが見えてきた。キブシは枝から房状の花序がたくさん吊下っているので、分かりやすい。このキブシは雌雄が別株というので、花を注意して見た。壺状の小花は下向きに咲いているので、花の中は見難い。ピンセットで広げて見ると、雄花には葯があるので分かったが、雌花は見つからなかった。

 マユミの樹が見えてきた。丸い冬芽から新枝を出し、その先に小さな粒状の蕾が出来ている。粒状の蕾が現れるのは早かったが、この状態が長く続いている。そろそろ開くのではと思っていたが、まだ時間がかかりそうだ。記録を見ると、開花は4月下旬から5月になるようだ。

 ヤマグワの細い枝が伸び入る。この冬芽も先日から見ている。ヤマグワの冬芽は淡褐色の乾いたような芽鱗で包まれていた。その芽鱗から抜け出し、白色の毛を身に着けた新葉らしきものが出始めている。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2618.html

撮影:3月25日
  記  平成30年3月31日(土)
4月8日(日)

ヤシャブシ 雄花 雌花花序 サワグルミ、シナサワグルミ? サワグルミ、シナサワグルミ?の新葉

タチツボスミレ アマナ カントウタンポポ カントウタンポポ:総苞片が反り返らない

4月8日(日)

 芦原湿原に沿って木道を進むと、中頃辺にヤシャブシの樹がある。この樹はハンノキに似ているが、ハンノキのように直立していない。この雄花花序を始めて見た時、全てが上を向いていたことが強く印象に残っている。ハンノキだはこういう姿をしていなかった。上を向いた雄花花序も今は下へ向きを変え、吊下った状態になっている。雄花が開花すると、この様に向きが変わるという。

 雄花花序を見ると、沢山の葯が見える。葯の上にある緑と茶褐色の塊は苞というのだろうか、葯はこの下から出ているようだ。小さなものが沢山かたまっているので、何処までが1つの小花になるのか、花を解剖でもしてみないと分からない。

 雌花花序は雄花花序の直ぐ下にある。雄花花序は無柄だが、雌花花序には柄がある。雌花花序の苞の間から赤褐色の毛のようなものが出てきている。これが雌しべになるのではないだろうか。

 芦原湿原の一番奥にヤシャブシに似た樹がある。ハンノキ、ヤシャブシ、シナサワグルミへと見る度に名前を変えてきた。一体どれが本当の名前になるのか、決めかねている。今日見ると、新葉が見られた。この葉を見ると、対生で、鋸歯が丸みを帯びている。上空にある雄花花序や傾いた幹を見ると、先程見て来たヤシャブシの再現だが、この新葉が違うような気がする。先程のヤシャブシにはまだ新葉が出ていなかったし、他の資料を見ると、ヤシャブシの葉とは違うようだ。葉の鋸歯などから考えると、先日考えたサワグルミ、シナサワグルミのどちらかになりそうだ。

 タチツボスミレが咲いている。この花は、今の野山を歩けば、必ず現れてくる。この花はどちらかと言えば、山や崖の斜面で、日陰になっているところにある。また、直射日光が当たるところでは花の色が褪せている。上弁、側弁、下弁、距を確認した。

 芦原湿原をまわり、反対側へやって来た。こちら側は日光が当たり、明るい。道沿いの藪に白色の花が咲いており、アマナと表示されていた。アマナの名前は初めて聞く名前でない。資料を調べると、下記の資料で1度見ていた。ここの環境で見ると、珍しそうに見えた花だが、公園にも見られる身近な花であった。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-565.html

 タンポポもあちこちで見られるようになってきた。今咲くタンポポは萼の総苞片が反り返らないカントウタンポポが多い。この環境ならば、間違いなくカントウタンポポと考えられる。花を裏返し、総苞片を確認した。確かに反り返っていなかった。

撮影:3月25日


  記  平成30年3月31日(土)


4月9日(月)

コブシ ツクシ セリバヒエンソウ ニワトコ ムラサキハナナ

ムラサキハナナの花 ヒュウガミズキ ヒュウガミズキの花 カンヒザクラ カンヒザクラの花

コウバイ ソメイヨシノ ソメイヨシノ:萼筒に毛がある アセビ アセビの花

4月9日(月)

 芦原湿原のこちら側は太陽の日が当たり、ぽかぽかして暖かい。対岸を見ると、今まで通ってきたところのコブシの樹が綺麗に見える。ここからは花の1つ1つは確認できないが、コブシの樹の全体像がつかめる。「コブの樹にこんなに沢山花があったかなぁ」と思える程、遠くから見るコブシは別物に見えてくる。

 陽だまりにツクシが見えた。「ツクシはスギナの子」と言われるが、既にスギナが沢山現れている。今まで注意して見て来なかったが、探していくと、この陽だまりにはツクシを沢山見ることが出来る。

 紫色の花が咲いていた。何処かで見た覚えがあるが、記憶に残っていない。過去の資料で調べると、資料1の中にセリバヒエンソウの名前が出て来た。この花は三ッ池公園、舞岡公園でも見ていたことが分かった。資料1では、「花びらに見えるものは萼で、そのうちの1枚が後ろに伸びている。これは距と呼んでいる。実際の花はこの中にある。」資料2では、「繁殖力が強く、毒性があり、駆除対象になっている植物という。」と書いていた。形のの代わった珍しそうな花で、何も知らなければ綺麗な花と思ってしまう。駆除対象としてはもったいない気もしない訳でもない。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1748.html?sp
 資料2:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1315.html

 枝先に沢山の蕾の塊を付けた樹が見えた。葉、蕾の様子からニワトコではないかと思えた。それでも確信がないので、調べ直した。いろいろな資料では、奇数複葉の小葉に葉柄が殆どないように見える。また、枝がこの写真の様に濃い褐色になっていない。この2点が気になって、いろいろ資料を見たが、可決に至らなかった。最後に、自分の過去の資料を思いつき、見直すと、小葉の柄については解決できた。小葉の柄は短いが、濃い褐色を帯びていた。枝については課題として残された。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1714.html

 ムラサキハナナが咲いている。この花が咲き出すと、毎年この花の正式の名前は何というのか考えてしまう。牧野新日本植物図鑑には、「アラセイト」の名があり、日本には寛文年間(1665年前後)に渡来したと記述されている。百科事典マイペディアでは、オオアラセイトウ,ハナダイコン,ショカツサイの名前が挙がっている。また、世界大百科事典では、シキンサイ(紫金菜),オオアラセイトウ,ムラサキハナナの名前が挙げられている。教科書にはなぜか、ショカクサイの名前が挙げられている。ムラサキハナナはナノハナによく似ている。黄色い花を紫色の花に置き換えればそっくりになる。

 この黄色い花を付けた樹はヒュウガミズキになるような気がする。つい先日も別の公園で、この花に似たトサミズキを見て、同じことを考えた。この花序には小花が2個で、花の大きさを見ると、長さ1cm、幅1.3cmであった。葯を見ると、黄色である。

 花の木園へ向かって中へ入って行った。先日はこの奥にコウバイだけが咲き出していた。今日も同じように赤い花が見えてきた。先日のコウバイの花数が増えて来たのではと思ったが、日にちが過ぎているので、コウバイは花期を終えていると思いながら近づいた。すると、赤い花はやはり紅梅ではなく、カンヒザクラであった。カンヒザクラは、三ツ池公園などでは既に花期を終えている。ここでカンヒザクラを見るとは思っていなかった。ここは谷間なので、開花が遅いのであろうか。

 奥へ進むとコウバイが残っていた。しかし、先日見たコウバイとは違い、色が薄い。同じ紅梅でも種類が違うようだ。

 奥の日陰を見ると、ソメイヨシノが咲いていた。大部分のソメイヨシノは咲き始めたばかりで、花数が少ないのだが、このソメイヨシノは花数が多い。花が高い所にあるが、萼筒を撮影してみた。萼には少し赤みがあるが、萼筒そのものは黄緑色をしていて、毛が確認できる。膨らみは殆どない。やはりソメイヨシノの特徴を示しているようだ。

 奥の日陰を見ると、ソメイヨシノが咲いていた。大部分のソメイヨシノは咲き始めたばかりで、花数が少ないのだが、このソメイヨシノは花数が多い。花が高い所にあるが、萼筒を撮影してみた。萼には少し赤みがあるが、萼筒そのものは黄緑色をしていて、毛が確認できる。膨らみは殆どない。やはりソメイヨシノの特徴を示しているようだ。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月6日(金)
4月10日(火)

斜面を埋めるシラカシ コナラとミズキが占める斜面 大きなケヤキの樹 ケヤキの雄花 ヤマザクラ

ヤマザクラの花 ヤマザクラの萼筒:膨らみや毛がない クロガネモチ アキニレの樹 アキニレの冬芽

エゴノキの冬芽 新葉が芽吹いた ゴンズイ

4月10日(火)

 花の木園から先日通ったちびっこ広場へのコースを進んだ。急坂を上り始めると、左側の斜面にシラカシが見えてくる。先日このコースを通った時、この斜面にシラカシが多いことに気が付いた。改めてシラカシのつづく斜面を見直しながら坂を上って行った。この斜面は人が入れないので、樹木は悠々自適に育っているようだ。

 右側は細い道を隔てただけなのに少し植生に違いが出てきている。此方はシラカシに変わりコナラとミズキが主体となっている。太陽の日の当たりが多少影響をもたらしているのだろうか。面白い現象である。この両側の斜面へ足を入れて見たいが、植生の保護区となっているため残念ながら入れず、遠くから見つめるだけである。

 ちびっこ広場へ出ると、大きなケヤキの樹がある。そのケヤキを見上げると、箒状に伸びた枝に緑が戻ってきていた。更に注意して見ると、葉以外に粒々の様なものが見えた。恐らく花が咲いたものと思われる。そこで、望遠写真を撮ってみたが、花の正体は掴めなかった。

 ケヤキの直ぐ傍にサクラの樹がある。先日、このサクラの冬芽を見て、芽鱗の表面に毛がないことから、恐らくこのサクラはヤマザクラであると思っていた。今日は、花が咲いているので、確認できそうだ。調べ始めると、花弁は白みが強く、茶褐色の葉が伴っている。また、萼筒は毛や膨らみがなく滑らかである。やはりヤマザクラであることを示していた。花の大きさを計測してみると、直径が3.5cmあり、ソメイヨシノの花より幾分大きい。

 先日赤い果実を付けた姿が印象的であった2本のクロガネモチの樹へ来た。葉の緑は変わっていないが、あの綺麗に映った果実がなくなっていた。この辺で見かけるムクドリやヒヨドリに食べられたのであろうか。自然の営みの移り変わりを感じた。

 ちびっこ広場の入り口にアキニレの樹がある。この樹を始めて見た時、樹皮が紙のように剥がれそうになっていた姿が印象的だった。冬芽は先日通内濃褐色の楕円形のままで、大きな変化は見られなかった。

 ちびっこ広場を出て、展望広場を目指し進むと、間もなくエゴノキが見えてきた。このエゴノキは大きくないので冬芽を見ることが出来る。この冬芽を見ると、細長く伸び出していた。冬芽は小さいとイメージが強かったが、やはり成長期に入ったかと思った。細長いた冬芽を注意して見直すと、薄らと緑がかり、葉の面影が浮かんできた。

 太陽の日を受けながら進んでいると、ゴンズイの樹へ来た。先日このゴンズイの枝にゴンズイノフクレアブラムシが群がっていた光景が思い浮かんできた。冬芽の写真を撮ろうと、何も知らず、枝を掴んだ時の感触の異様さが蘇ってくるようだ。枝を見ると、ゴンズイノフクレアブラムシがまた目に入って来た。一方、赤褐色の冬芽からは新葉が芽吹いる。何枚もの葉が束になって吹き出す姿には生命力の驚異さを感じる。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月8日(日)
4月11日(水)

展望広場 展望台の裏 クマノミズキの新葉 ミズキの新葉 野外ステージの広場のハナモモ

ハナモモの花 ピンクのアセビ ピンクのアセビの花 ソメイヨシノ キブシ

クマノミズキの冬芽:まだ新葉が出ていない

4月11日(水)

 展望広場にはたくさんのサクラがある。今日は絶好の花見日和とあって、沢山の人が出ていた。この広場の斜面を上り、展望台へ向かった。この展望台の裏にクマノミズキを思われる樹がある。先日は冬芽を見ているので、改めて確認した。先日見た冬芽は先が尖がり、細長いものもあれば、太く短いものもあった。今日見ると、若葉が出始めていた。中央に1枚、その両端に1枚ずつ合計3枚が数えられる。

 展望台の降り口の左側にはミズキがある。この冬芽は何度も見ている。赤褐色で艶がありきれいな冬芽も新葉を吹き出して来た。未だ下の方に冬芽の名残が分かるが、葉が大きくなると、やがてこの名残は分からなくなってしまう。しかし、葉が大きくなってくると、丸みを帯びた楕円形になり、曲線を描いた葉脈がはっきりしてくるので、ミズキと判断が出来る。

 ここの階段を下り、初めての道を下りて行った。下に見える広場は、地図によると野外ステージの広場になるようだ。更に下ると、広場の外側にピンクの濃い花が見えてきた。それも1本や2本ではない。満開時で素晴らしい光景である。時刻が午後4時近くなっているが、家族連れや花見客が沢山いる。こんなに濃いピンク色をした花はハナモモと考えられる。階段を降りると、直ぐにピンクの花の樹のところへ近づいた。やはり、ハナモモであった。ハナモモは1つの花が大きく、枝が見えないくらい密に咲いている。

 ハナモモを見た余韻が残ったまま野外ステージの広場を出て、進んでいると、アセビが見えてきた。先程は白色のアセビを見たが、今度はピンク色である。白色のアセビからは清純さを受け、ピンク色のアセビからは温かみを受ける。何方も本当に可愛く映る。

 坂を下って行くと、右側にソメイヨシノが見えてきた。来た時から数時間たっているので、ソメイヨシノは一挙に開花へ向かってきたようだ。これだけ暖かい日だと、サクラをはじめ全ての草木が発芽や、開花が旺盛にであると思われる。

 崖の上にキブシが見える。花序の吊下った姿は春の風物を表している。残念だが、雄花花序化、雌花花序かは分からない。

 前山にあるクマノミズキのところへ再びやって来た。最初にここへ寄った時は、全ての冬芽が高すぎて、撮影を諦めてしまった。しかし、心残りがし、どうしてもこのクマノミズキの冬芽の写真を撮りたかった。望遠を効かして数枚撮影した。鮮明な写真は撮れなかったが、此方のクマノミズキには新葉が出ていなかった。展望台のものより成長が遅いようだ。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月8日(日)
4月24日(火)

アキニレの冬芽 新葉の出たアキニレ ナツツバキ ハナミズキ ヒトリシズカ

ヒトリシズカの花 キンラン ナツトウダイ ナツトウダイの花

4月24日(火)

  いろいろな所でサクラが咲き、目まぐるしい日が続いた。久しく、間が空いた県立四季の森公園へ行った。山下長津田線道路を渡ると北口へ通じるプロムナードになり、周りの景色、雰囲気が変わり、長閑な気分になった。

  北口から入り、2本のアキニレの樹を見た。1本目は新緑色の楕円形をした冬芽の状態で、まだ葉が出ていなかった。元々冬芽が小さかったので、「まだこの段階のなのか」と思った。

 2本目のアキニレを見ると、先程のアキニレが嘘のようである。この2本がどちらもアキニレなのかと疑いたくなる程成長の様子が違っていた。此方は、各冬芽から新枝が出て、その周りに数枚の新葉が出ている。その新葉も十分な大きさにまでなっている。数m離れただけなのに、自然のいたずらなのだろうか。

 次にナツツバキを見た。既に葉が沢山出て、先日の姿と変わっていたので、うっかりナツツバキの傍を通り過ぎてしまい、戻った。枝先を見ると、葉腋から花柄が出て、その先に小さな蕾が出来ていた。球形に近い形で、白色の毛で包まれているようだ。

  橋の向こうの水辺近くに白色の花を付けた樹が見えた。花の感じからすると、ハナミズキかもしれない。ここからは判定できないので、対岸へ出て、写真を撮った。やはり、ハナミズキであった。小花を確認すると、殆どが蕾で、咲いているのは幾つもなかった。

 里山にヒトリシズカの表示があった。既に花が終わってしまったのではとあきらめていたが、探すと、1本だけ見つかった。ヒトリシズカには花弁がなく、小さな球形の緑色のものが子房、そこから出る3本の白色の突起のようなものが雄しべ、3本の内2本の下に黄色い葯がある。半透明なものが雌しべになる。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2233.html
 資料:https://matsue-hana.com/hana/hitorisizuka.html

 直ぐ隣に、キンランがあった。以前キンランとギンランを同時に見たことがあったが、ギンランを見る機会が少ない。ここで見られたのもキンランのみだった。ランの仲間は花が大きく綺麗に映る。ここからは詳細を知ることは出来ない。

 はす池沿いに進み始めると、ナツトウダイがあった。初めてこの花を見た時、「随分変わっている花だなぁ」と思った。この花には花弁や萼がなく、角に当たる部分は腺体になる。腺体は4個、その内側に葯をつけた雄しべが見える。雄しべの本数は分からない。右斜め下へ飛び出ているのが受精を終えた雌しべになる。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1710.html

撮影:4月19日
  記  平成30年4月22日(土)
4月25日(水)

クマノミズキ クマノミズキの枝 クマノミズキの葉のつき方 ミズキ ミズキの花

ミズキの葉のつき方 ヤブレガサ マンサクの葉 セリバヒエンソウ セリバヒエンソウの花

4月25日(水)

 里山の斜面にクマノミズキがある。ミズキはよく見かけるが、クマノミズキは余り見かけない。この2つの樹の違いを知ろうと注目している。ミズキの冬芽は赤褐色で、綺麗な色をしていた。一方、クマノミズキの冬芽は対生に出て、細長く、角のようだった。ここに来てミズキには早くも花が付き始めている。ここのクマノミズキを見ると、蕾すら見えず、花が何時咲くのか見通が立たない。下記の資料によると、「ミズキの花期が5月~6月に対し、クマノミズキは6月~7月となっている。また、葉のつき方が違っている。ミズキの互生に対し、クマノミズキは対生になっている。」という。そこで、葉のつき方の確認をした。クマノミズキの枝は対生に出ているが、葉は先端に纏まってついているので、確認が難しい。写真を拡大し、見て行くと、何とか対生になっているように見えてきた。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2298.html

 ヤシャブシの先にミズキがあるので、クマノミズキと比較してみた。ミズキには花が咲いている。花は十字形で、花弁は白色で細長い。雄しべが4本、これも十字形に花弁とはずれて出ている。枝が互生に出ていることが分かるが、葉を見ると、先に纏まってついているので、互生か、対生か判断するのが難しい。写真を拡大し、何とか互生であることが分かってきた。

 笠を引き裂いたような葉が沢山見えてきた。この株が群生しているようだ。「ヤブレガサ」の名札があった。ぴたりと当てた名前と思った。花の姿は見られなかった。

 マンサクの葉が大きくなってきた。こうなると、葉の特徴をしっかり捉えていないとマンサクとは分からなくなる。以前ガマズミの葉と間違えたことがあった。マンサクの葉は互生し、ガマズミの葉は対生している。よく見れば、葉脈や鋸歯の様子も大分違っている。

 セリバヒエンソウが見えた。この花は前回来た時も見ている。前回は、芦原湿原の畔に僅か数輪の姿があった。それが今日は彼方此方に群生している。青紫の花で、引寄せられる花だが、この花は毒性の強い花で、駆除の難しい毒草であるという。この花のつくりがよく分からないので、調べて見た。外側の花弁に見える5枚は萼で、本来の花はその中にあるという。中の本来の花を見たが、これが一層よく分からなかった。資料1によると、「上側の1対は白色で斜上する長い距を持ち、下側の1対(退化雄しべ)」と書かれていた。上の1対は筒状で、先が2つに分かれているものではないかと思われる。基部を見ると、距になっている。下の1対がどうしても見つからないので、さらに調べて見た。すると、資料2に丁寧な写真入りの説明が記載されていた。しかし、それでも下の1対の花弁は見つからず、分からなかった。
 資料:https://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/201402230000/?scid=wi_blg_shashinkan_thumb001
 資料:http://nannjyamonnjya.blog68.fc2.com/blog-entry-2073.html

撮影:3月25日
  記  平成30年4月22日(日)
4月26日(水)

ミツバウツギ ミツバウツギの花 芦原湿原 エゴノキ キブシの果実

キブシの雌花 キブシの雄花

4月26日(水)

  ショウブ園へ来た。先日は右の畑にナノハナが満開であったが、今はその姿はなくなっている。春、春と思っていたが、知らないうちに季節は初夏へと移っている。人の感覚は鈍いが自然は正確に時の流れを読み取っている。

 ベニシダレも花がなくなり、存在が影を潜めている。ベニシダレに代わり、直ぐ裏のミツバウツギに白色の花が見えてきた。「ウツギは花弁が5枚である」と思って花を見ていると、蕾が多く、開いている花も平開していないので、花弁が数えにくい。それでも数えて見ると5枚以上見えた。「これは変だ」と思い資料を探してみた。すると、下記の資料では写真入りで、「外側が萼片、内側が花弁」と記述されていた。これで、5枚以上の花弁の謎が解けた。
 資料:http://kanon1001.web.fc2.com/foto_sinrin/K_mituba_utugi/mituba_utugi/mituba_utugi.htm

 芦原湿原を見ると、アシが出揃ってきた。田植えでもした後の様にどのアシも同じ高さで、真っ直ぐに立ち、上へ伸びている。芦原湿原と言われる風景が出来てきた。

 木道を歩いていると、エゴノキが見えてきた。先日、三ツ池公園で、この蕾を見て来たが、ここでも同じように、長い花柄が出て、その先に1つ1つの蕾が出来ている。エゴノキの白い花は下向きに咲き、初夏を思わせる風情のある花である。

 エゴノキにキブシが続いている。キブシは花を終え、果実が出来ている。この果実を見て、あの時の花は雌花、雄花のどっちだったのか、分からなくなってきた。ウイキペディアでは、「キブシは雄雌が異株である」と説明されていたが、先日このキブシの花を見て、雄花ではないかと見ていた(資料1)。ところが、今見ると果実が出来ている。そこで、もう1度調べ直した。資料2では、「雌雄別株」と記述してあるが、写真のところでは両性花という言葉が書かれている。牧野新日本植物図鑑ではキブシは雌雄異株になっている。やはり、キブシは雌雄異株のようだ。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2689.html
 資料2:https://matsue-hana.com/hana/kibusi.html

 そこで、先日の記録を見直していると、先日撮影した中に雌花になりそうな花が見つかった。この花は雄花ではないかと見て、注意していなかった。見直すと、緑色の雌しべがよく目につく。見る角度にもよるが、雄しべはあまり目立たない。この花が果実をもたらした花かも知れない。

 もう1つの雄花を見直すと、黄色い葯がよく目立っている。キブシの雄花、雌花について、何とか分かってきた気がする。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月8日(日)
4月27日(水)

ニリンソウ ニリンソウの花 (萼) ヤブデマリ ヤブデマリの花 ヤシャブシの果実

ヤマグワの雄花 シナサワグルミ シナサワグルミ:雄花花序 シナサワグルミ:偶数羽状複葉、葉軸の翼

4月27日(水)

  芦原湿原に沿って木道を歩いていると、下の方に白色の花が見えてきた。1輪~2輪で、珍しそうな花だと思いながら遠くへ目をずらすと、この花がこの一角に広がっているのが分かった。何の花かと見続けていると、ニリンソウの名前が浮かんできた。特徴が分からないので、調べると、資料1で「5枚見えるのは花びらではなくて、ガク片ということです」と書かれていた。牧野新日本植物図鑑で確認すると、同じことが書かれていた。さらに調べていると、イチリンソウ、サンリンソウなどがあることが分かった。この3つはどこが違うのか調べて見た。資料2では、「ニリンソウは花の直径はイチリンソウの半分以下で、ニリンソウの茎は葉っぱ中央を貫いている状態」の意味のことが書かれていた。写真を見て確認すると、確かにその様になっていた。これで、イチリンソウとニリンソウの違いは何となく分かったが、サンリンソウとの違いが分からない。いろいろ調べて行くと、サンリンソウの葉には柄があるという。この事はイチリンソウにも言える。
 資料1:http://okiraku-camera.tokyo/blog/?p=1369
 資料2:https://ameblo.jp/ibukiyama2005/entry-12278388482.html
 資料3:https://blogs.yahoo.co.jp/ndtpn49944/1441886.html使用できない

 同じように木道の下を見て行くと、ガクアジサイに似たものが見えてきた。ガクアジサイとノリウツギはユキノシタ科でアジサイの仲間であるが、ムシカリとヤブデマリはスイカズラ科、ガマズミ属で、アジサイの仲間ではない。ガクアジサイとノリウツギの萼片は4枚、ヤブデマリは小さなガク片があり5枚になる。この花の萼片を見ると小さな萼片があり、5枚になっている。従って、これはヤブデマリになるようだ。

 課題にしているヤシャブシの樹のところへ来た。枝先を見ると、雄花はすっかりなくなり、雌花が果実なり始め残っている。今は細長い。ヤシャブシの果実は短い楕円形に近い。この雌花がこれから太くなっていくと、果実の形になる。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2691.html

 ヤマグワの枝が伸びていて、花が咲いていたので写真に収めた。今年は、雄花は見ているが、雌花はまだ見ていない。写真を見直すと、今回も雄花であった。中々雌花にぶつからないものである。

 芦原湿原の奥にもう1つ課題にしている樹がある。シナサワグルミではないかと考えているが、確かなことは分からない(資料1)。近づいて行くと、下に雄花花序がたくさん落ちていた。その光景を見た時、「遅かったかぁ」と思った。それでも、諦めず樹を見上げた。すると、樹にはまだ雄花花序が沢山付いていた。樹に付いている雄花の鮮明な写真が撮れないので、下に落ちている雄花花序の写真を撮ってみると、下に落ちていたものはやはり花粉が飛んでしまっていた。雌花花序らしきものは雄花花序の先に付いているが、写真が鮮明でないので確認できなかった。次に、シナサワグルミとサワグルミではどこが違うのか調べて見た。資料2では、「シナサワグルミはたいてい偶数羽状複葉で、葉軸に翼が付いているが、サワグルミは奇数羽状複葉で翼がない。」と説明されていたので、上空の葉を調べて見た。すると、偶数羽状複葉の個所が見られ、葉軸に翼が付いていた。従って、この樹はシナサワグルミの可能性がさらに高まってきた。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2628.html
 資料2:http://www.plant.kjmt.jp/topics/kigi/sawagrm2.htm

撮影:3月25日
  記  平成30年4月24日(火)
4月28日(土)

ヤブタビラコ ヤブヘビイチゴ ヤブヘビイチゴ ヘビイチゴ ヘビイチゴ

ツボスミレ ツボスミレの花 カキドオシ エビネ エビネの花

ヤブニンジン ヤブニンジンの果実

4月28日(土)

  ショウブ園から花の木園へ向かった。この奥にはウワズミサクラやイヌザクラの名札が掛けられていたが、先日来た時からその名札はなかった。今日は既に花はなく、寂しい花の木園へ戻っていた。目を下の方へ向けると、小さな花が見えてきた。この小さな黄色い花は何だろうか。つるのように這いまわっているようで、黄色い花は小さいだけでなく平開していない。日陰だからと思い、日向のものを見たが、同じように平開していなかった。小さな花の感じはオニタビラコを思わせるが、オニタビラコの茎は蔓のように這わない。念のため、以前の資料のヤブタビラコを見た。その時、ヤブタビラコはオニタビラコより遥かに背丈が低く、花も小さいと思った。写真を見比べると、この小さな花はヤブタビラコになると思えてきた。
  資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2222.html

 同じ叢に、ヤブヘビイチゴがあった。これからはこの花に似たものが現れてくる。その度毎に、何という名前なのか惑わされる。この黄色い花はヤブヘビイチゴになると思う。花の直径を計測すると、2cmあった。以前計測したヘビイチゴの花の直径は1.5cmであった。ヤブヘビイチゴの方が大きいことが分かる。更に葉を計測すると、長さ3cm、幅2cmであった。

 ヤブヘビイチゴを見ていると、幾分小さめの花があった。「これはヘビイチゴではないだろうか」と思い、比較してみた。花の直径は1.5cm、葉の長さ1.5cm、幅1cmといずれもひとまわり小さかった。

 スミレが見えた。下花弁の内側に濃紫色の模様が見られるが、あとは白色である。明らかによく見かけるタチツボスミレとは違っている。ツボスミレではないかと、過去の資料を見直すと、5月5日に舞岡公園でこの花を見ていた。「タチツボスミレより一回り小さく、色が白色っぽい。タチツボスミレは見えなくなってきたが、此方はまだ勢いがあるようだ。」と書いていた。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2255.html

 ツボスミレを追っていると、今度はカキドオシが現れた。此方は数が少ない。この花は唇形花と言われている。唇形花というと、上唇と下唇とがある。この花の上唇、下唇はどこをさしているかのだろうか。いろいろな資料を参考にしたが、明確な回答が見つからなかった。下唇は一番大きく、中央に毛があり、紫色の斑紋がある花弁をさすことになると思う。後の上にある3枚の白色のものが上唇になるのではないだろうか。中央は覆いかぶさり、左右は万歳をしているように見える。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2702.html

 さらに奥へ入ったところに柵がしてあった。何のために柵をしているのか、近づいてみた。すると、白色と、濃褐色が混ざったランが見えてきた。策はこの花の保護のためと分かった。調べると、この花はエビネであった。エビネの名前は聞いたことがあるが、実際に見たことがなかった。下記の資料によると、この花は人工植栽したとのことであった。
 資料:http://mori-sansaku.wixsite.com/sinrin-moripark/shikinomori-satoyama-course

 この叢には色々な野草が出てきている。エビネの柵を外れたところにヤブニンジンが見えた。この花は小さく、似ているものがあり、見分けにくい。花柄の先に細長い果実が出来ている。果実の表面は白色の伏毛の様なものがあり、先端に2本の雌しべの残りがある。この果実からヤブニンジンと分かる。ヤブニンジンの花には、雄花と両性花の2種類がある。雄花は中央の総苞の上に出る小さな花で、長い柄が出てその先につくのが両性花になる。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月24日(火)
4月29日(水)

キンラン キンランの花 ホウチャクソウ ミズキ ミズキの花

クマノミズキの枝:対生 クマノミズキの葉(4/25にも利用している):対生

4月29日(日)

 花の木園からショウブ園へ戻り、前山を上り展望台を目指すことにした。このコースは先日通ったコースである。山を上り始めると、右側にキンランが見えてきた。キンランはこの山の反対側の2か所で見て来たばかりである。キンランはどんな花のつくりになっているのだろうか。ランの仲間なので、シランについて調べたことを振り返って見た。シランの写真とキンランの写真を並べて見るとそっくりである。つくりも同じであると考えられる。下記の資料によると、「ユリと同じように、外側に3枚、内側に3枚の花弁がある。下側にある内花被片は他の5枚と形が違い、唇弁になっている。」と書いていた。これを当てはめてキンランの花を見直した。外側の3枚の萼が三角形をつくる様に並んでいる。内側の2枚は斜め上に手を挙げているように開き、もう1枚は袋状の唇弁になっている。一見分からなそうな花のつくりだが、やはりランの花のつくりをしていることが分かった。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2265.html

 目立つものには目が行きやすいので、キンランへ目が行っていたが、目をずらすと、黄緑色の花を吊り下げたホウチャクソウが目に入って来た。全体が緑色なので、注意して見ていないと、この花の存在には気が付かない。この花を見ると、チゴユリ、ナルコユリ、アマドコロなどの名前が挙がってくる。ホウチャクソウとチゴユリはイヌサフラン科チゴユリ属、ナルコユリ、アマドコロはキジカクシ科アマドコロ属に入り別物である。アマドコロ属は葉腋にたくさんの花を付けるが、チゴユリ属は先端に数個の花をつける。チゴユリは花弁を開くが、ホウチャクソウはほとんど開かない。

 展望台の下にある、クマノミズキを目指して尾根道を進んで行った。最後の急な坂を上り切ると、展望台へ着く。ここから見るミズキやクマノミズキには葉が沢山出ており、冬芽の姿を見ていた時とは景色ががらりと変わっていた。ミズキを見始めると、風が吹き始めているのに気が付いた。ミズキには花が咲いている。下で花の写真を撮ってあるが、ここのミズキの写真も撮っておこうと欲張った。しかし、写真を撮ろうとすると、皮肉なことに風が吹き出し、シャッターを切るチャンスが見つけにくい。アップ写真を撮ったが、やはり焦点が合っていなかった。

 次にクマノミズキを見た。ここで撮った写真は、先日、ミズキとクマノミズキを比較したところで利用してある(資料)。「ミズキの葉のつき方は互生だが、クマノミズキは対生になっている。」ということだが、枝については分かるが、葉については判断が難しい。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2726.html

撮影:3月25日
  記  平成30年4月24日(火)
4月30日(水)

シャガの森 シャガの花 ウシハコベ ウシハコベの花 カラスザンショウ

ムラサキケマン ムラサキケマン:種子と反り返った果皮 ヤマボウシ ヤマボウシの花

4月30日(月)

 ふるさとの森から山の広場へ通じるところにシャガの森がある。シャガは、もうずっと前から咲き出しているので、ここの森のシャガは、若しかしたら、花は終わってしまのではと気になっていた。坂を下って行くと、薄暗くなり、シャガが見えてきた。近づくと心配していた花が咲いていた。シャガの花のつくりについては下記の資料で、「花弁は6枚あり、外側の3枚が大きく、その中央にオレンジ色の突起と斑点がある。雌しべは2本に分かれ、先が裂片になっている。」と書いている。改めて確認した。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2705.html

 サクラの谷へ出た所の叢でウシハコベを見つけた。ウシハコベは今までにも何回も見ていたが、今年は未だ写真に撮っていなかったようなので、撮影した。ウシハコベはこれがハコベか、と思うくらい葉が大きく、背丈も高くなっている。赤褐色の茎の稜には毛があり、大きな葉は柄がなく対生している。花弁は5枚だが、深裂しているので、10枚に見えるのだが、どういう訳か、写真は一寸枚数が合わない。

合い向かいにカラスザンショウがある。この樹がカラスザンショウということは分かったが、未だ花を見ていない。下記の資料によると、花期は7〜8月だという。今年は何とか見ようと思っている。
 資料:https://matsue-hana.com/hana/karasuzansyou.html

 カラスザンショウの下にムラサキケマンがあった。この花を見ようと、指を触れると、「ピッシ」と音がして果皮が巻き上がり種子が飛び出た。予備知識がなかったので一瞬驚いた。以前同じような現象をツリフネソウで経験して以来であった(資料)。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-date-20161021.html

 サクラの谷を下って行くと、左側にいろいろな樹木がある。サクラ、ウメは花を終えているが、ヤマボウシが見えてきた。枝先に黄緑色のものが見えたので、もう花が咲き出したようだ。花はハナミズキによく似ているが、一回り小さい。ハナミズキの花のイメージが残ていたので、一瞬驚いた。花弁のように見えるのは萼で、今萼が開き始めたところのようだ。内側にある本来の花は未だ蕾のままだった。

撮影:3月25日
  記  平成30年4月24日(火)