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平成30年度                                                           四季の森公園の植物へ
1月
1月1日(月)
ヤシャブシの樹 ヤシャブシの果実 ヤシャブシの幹 ヤシャブシの雄花序 3種類の樹

コナラの幹 ミズキの幹 クスノキの幹 クスノキの幹の下の部分 クスノキの冬芽

1月1日(月)

 この樹にはヤシャブシと記名されている。ハンノキを調べていた時、このヤシャブシの名前が出て来たので、名前は覚えている。幹はハンノキと同じで、樹皮が不規則に剥がれるようになっている。ハンノキが垂直に立っているのに対し、ヤシャブシは斜上している。

ハンノキを調べていた時、このヤシャブシの名前が出て来た(資料1)。資料1を振り返って見ると、ヤシャブシの仲間の冬芽は無柄になっている。更に、保育社の原色日本植物図鑑を見ると、「狭卵形の葉で、枝の先に雌花序が1~2個付き、下垂しない、枝はやや細く、若い時は多少有毛」と説明されている。

 この斜上したヤシャブシの樹を見た時、幹はコナラに似ていると思った。そこで、ヤシャブシとコナラの幹の違いについて調べて見たところ、資料は皆無であり、この点に関心を持っている人はいないように思えた。そんなに問題にするほどでもないものかと、2つの写真を比べて見た。すると、コナラの幹には縦方向に溝が見られるが、ヤシャブシの幹にはひび割れが入り剥がれそうになっているが、溝になっていないことが分かった。些細なことだが、自分なりには違いを捉えることが出来たと思う。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1976.html

 また、上の花序を見た時、花序が似ているハンノキの雄花序は下垂しているのに対し、ヤシャブシの雄花序は全てが上を向いていることが不思議に思えた。資料で調べると、資料2で「ヤシャブシの雄花序は開花すると下垂する」と書かれていた。そうすると、まだ開花に至っていないことになる。雌花序はここからは確認できなかった。
 資料2http://www.geocities.jp/greensv88/jumoku-zz-yashabusi.htm

 ヤシャブシを見て進んでくると、藪に3種類の樹が見えてきた。近くで見たいが、中へ入れないので、道から見て判断しなければならない。左側は、上で考えたコナラになる。

 中央の奥まった樹と右側の樹はここからは判断が難しい。中央の樹の幹は灰白色で、表面が滑らかに見える。ミズキのように思えるが確かでない。

 右の樹を見ると、細かいひび割れが入っている。このような幹をしたものはいくつかあるので、幹だけでは決められない。大きな樹なので、幹から枝へと辿って行くと、赤い冬芽が見つかった。冬芽の写真は鮮明でないので、判断しにくいが、幹とこの冬芽からクスノキと考えられる。

撮影:撮影:12月20日
  記  平成29年12月24日(日)
1月2日(火)
コナラの樹の下 エゴノキの幹 エゴノキの冬芽 ヤマグワ 細い枝が一層絡まった樹:キブシ

キブシの花序 ロウバイ ロウバイの花 サンシュユ サンシュユの冬芽

1月2日(火)

 先程のコナラの樹の下を見ると、黒っぽく、細い樹が1本斜めに伸び、その右側に細い枝が絡まった樹が見えた。この2本の樹が何の樹であるか知りたい。

 斜めに伸びた樹の幹は灰黒色で、表面は滑らかに見える。この様子からすると、エゴノキと思える。細い枝が道の方まで伸びていたので、冬芽を撮影した。長さ2㎜、幅1㎜と小さい冬芽だが、表面には星状毛が沢山ある。これは確かにエゴノキの冬芽になる。エゴノキの冬芽は芽鱗がなく、裸芽になっている。

 右側の荒れ狂ったような幹の名前は分かり難かったが、写真を拡大してみると、灰褐色の幹にはひび割れが見られ、更に、真っ直ぐ伸びた若い枝の先を見ると、円錐形の冬芽が見えてきた。この樹はヤマグワになるようだ。後方の太い樹は、先程見たコナラになる。

少し進むと、先程のヤマグワのように細い枝が一層絡まった樹が見えてきた。幹や枝は灰黒色に見え、太い幹には白っぽい斑点が見える。この状態からは皆目手が付けられない状態に思えた。しかし、暫く見て、諦めようとした時、見覚えのある花序が目に入って来た。暗紫褐色の枝の先に、同じ色をした細い紐のようなものが数本垂れ、その紐に小さな冬芽がぎっしりついていた。この姿を見て、この樹はキブシと分かった。

 しょうぶ園の休憩所へ戻って来た。休憩所は日陰で、相変わらず寒かった。沼の方を見ると太陽の日が射し、明るく、暖かそうなので、そちらへ向かった。沼の脇に1脚のベンチがあったので、そこで一休みした。一休みしていると、右前方に黄色い花のようなものがあり、写真を撮っている人が見えてきた。何の花か、近づくと、ロウバイであった。先日、舞岡公園では黄色い蕾ばかりだったので、「もう咲いたのか」と一瞬驚いた。ロウバイの花を見て、以前「花弁の黄色は半透明で艶がある。蝋光の感じがする」と書いたことを思い出した。

 再び、ショウブ園の休憩所へ戻って来た。ここの庭には大きなケヤキの樹が数本ある。この大きな樹を見ていると、「さすがケヤキだなぁ」と堂々とした大木の姿に感動した。このケヤキの奥はショウブ園になっている。ショウブ園との境にサンシュユがあるので、果実と冬芽を確認した。先日は鮮紅色の果実が沢山なっており、驚いた。もう1度確認すると、大分数が少なくなっていた。また、先日目が行き届かなかった冬芽を見た。冬芽は沢山付いており、中央に割れ目が入っていた。この樹がサンシュユであると再確認した。

撮影:12月20日
  記  平成29年12月26日(火)
1月3日(水)
ホオノキとコナラ エゴノキ ホオノキの冬芽 ヤマザクラとマンサク 左:エゴノキ 右:ミズキ

左:ケヤキ 右の2本:ヤマザクラ コブシ,クスノキ、ホオノキ コブシ 左:ホオノキ 右:クスノキ 中央:クスノキ 右:ホオノキ

クマノミズキ クマノミズキの冬芽と葉痕 クマノミズキの冬芽と葉痕

1月3日(水)

 雑木林が見えた。この雑木林の中には色々な樹木があるようだ。奥の方は分からないが、手前にはホオノキとコナラが見える。写真を拡大してみると、黒っぽい樹肌をしたエゴノキらしいものも見える。

 ヤマザクラとマンサクが見えてきた。来るときに見たマンサクの光景に似ているので、同じ場所かと思ったが、垣根がないので別の場所になる。左の大きな樹がヤマザクラで、右の枝が絡んだような樹がマンサクになる。今までマンサクにこれほど沢山の細い枝があるとは思わなかったが、この枝振りから、細い枝は、今まで葉に隠されていたことが分かって来た。更に、奥に見える曲がった幹はミズキにで、黒っぽい幹はエゴノキに見える。ただこの2本の樹は冬芽が確認できないので、断定できない。

 崖に太い樹が3カ所に見える。「こんな近くによく生えているなぁ」と思った。3カ所とも同じ樹形をしているので、同じ樹のように見える。しかし、よく見ると、幹の様子から判断して、左はケヤキで、右の2本はサクラになり、サクラはヤマザクラになるようだ。

 道端にコブシが見えてきた。このコブシは来るときに確認している。時刻が遅くなり、日が傾いてきたので、幹の様子が分かり難く成ってきた。コブシの後ろの細い樹を拡大して見ると、樹皮は灰褐色で、表面は滑らかである。この樹もコブシにも見えるが、確かなことは分からない。その後の黒っぽい樹は、先程考え込んだ樹に似ている。拡大した写真を見ると、幹には細かなひび割れが見られる。また、この樹だけは赤い冬芽が見えるので、クスノキシになるようだ。最後の右側の樹は、幹が灰白色で、表面は滑らかである。他に何か手掛かりがないだろうかと、写真を見直すと、ホホノキの冬芽のようなものが見つかった。この樹はホオノキになるかも知れない。

 今日一番見たかったクマノミズキのところへ来た。クマノミズキは斜面から出て、枝を道の方へ出している。幹には浮き出た不規則の線模様が見える。この模様は普通見かけるミズキの幹とあまり変わらないようだ。「ミズキの葉が互生なのに対し、クマノミズキは対生である」この点を確認したかったが、残念ながら葉は残っていなかった。仕方なく、葉痕を頼りにした。すると、写真が鮮明でないが、葉痕が対生になっていることが分かった。更に冬芽を確認すると、先が尖った円錐形は分かったが、芽鱗の存在などは知ることが出来なかった。

撮影:12月20日
  記  平成29年12月25日(月)