平成30年度 四季の森公園の植物へ | |||||
7月 | |||||
7月25日(木) | |||||
ジュズダマ | ジュズダマ | ガマ | ミソハギ | ヤブソテツ | |
カラスウリ | カラスウリ | ヤブラン | |||
7月29日(日) | |||||
ヨシ(アシ) | ヨシ(アシ)の穂 | イヌワラビ | イヌワラビ:中肋の溝が、中軸の溝へとつながっているようだ | イヌワラビ:胞子嚢が八の字模様になる | |
シシウド | シシウドの花 | ヌルデ | ハエドクソウ | ハエドクソウ | |
7月29日(日) シダを見た後、芦原湿原の畦道へ戻ってきた。暗かったところから明るい所へ出ると、眩しい。しばらく目の働きが適応しなかった。湿原を見ると、ヨシ(アシ)が背高く伸びている。3mを越していると思える。ぎっしりと埋め尽くしたヨシ(アシ)を見ると、上の方に穂が見えた。「もう花が咲きだしたのかぁ・・・」と思った。カメラを向けて写真をとると、間違いなく穂が写っていた。昨年は8月9日にヨシ(アシ)の開花を見ている(資料1)。やはりヨシ(アシ)の開花も今年は早いようだ。 基部は羽軸に沿着 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2367.html シダが見えてきた。遠目にはまだほとんど名前を知ることが出来ない。イヌワラビの可能性を考え、最下部の外側第一羽片の有無を見たかったが、ここからは見ることが出来なかった。耳垂はなく、基部は羽軸に沿着いているのが分かる。羽片の中肋の溝が、中軸の溝へとつながっているようだ。小羽片の裏を見ると、褐色をした胞子嚢がハの字型に並んでいる。このような特徴からこのシダは前に見たイヌワラビと思える。 白色の小さな花を付けた枝が畦道へ伸びていた。茎が太く、大柄の草本である。花弁が5枚、雄しべが5本あるようだが、花が大分枯れ始めているので、正確には分からない。葉を見ようとしたが、いろいろなものが絡んでいて、どれが試料の葉か分かりにくい。何とか探り当て、先が3つに割れた葉が試料の葉のように思え、写真を撮った。シシウドと見当をつけているが、確信がないので、下記の資料1を見た。下記の資料はウドとシシウドとの違いを説明していた。「シシウドは、先端の葉が恐竜の足の様に3枚に割れている、枝は3本ずつ出ている、枝の分かれめは膨らみ、全体が赤みがかっている」と指摘していた。資料2では、シシウドは記載されておらず、似たものにヨロイグサが記載されていた。「このヨロイグサとシシウドはどこが違うのだろうか」という新しい疑問が生まれてきた。どちらになるかについては後日調べてみたいと思っている。 ヌルデの枝先に白色のものが伸びてきていた。花が咲き出したかと思って、見ると、まだ蕾の状態であった。この樹は雌雄異株だという。 ハエドクソウが見えた。この花は何度も見ている。既に花は終えているのではと思っていたが、まだ咲いていた。今まで見て来たハエドクソウは背丈が低く、座って、見下ろして見ていた。ところが、今は座る必要がないほど背丈が高くなっている。ハエドクソウはこんなにも背丈が高くなるのだろうかと調べると、牧野新日本植物図鑑によると、30~70cmとあった。この花は小さく内側が白色なので、中が見にくく、写真も上手く撮リ難い。それが、先日、初めて花のつくりが分かりそな写真が撮れた(資料)。その時、この花について、「上唇は短くて先が2裂し、両側がやや広く肩状になり、下唇は長くて3裂する」ということを確認できた。今度の写真は、更によく分かるようになった。 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-3259.html 撮影:7月18日
記 平成30年7月24日(火)
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7月30日(月) | |||||
アキノタムラソウ | セリ | セリの花 | シシウド | ミドリヒメワラビ | |
ミドリヒメワラビ:羽軸の翼、小羽片の基部に柄が見える | キツリフネソウ | キツリフネソウの花 | ツリバナの果実 | ガマズミ | |
ガマズミの果実 | |||||
7月30日(月) 芦原湿原の突端へやってきた。ここにはミツバウツギやコバノカモメヅルがあるが、既に花を終えている。畦道を挟んで、反対側に紫色の花がちらっと見えた。アキノタムラソウではないかと近づいてみた。やはり、その通りであった。つい先日まで、この花を見た時、ナツノタムラソウかアキノタムラソウと迷っていた。しかし、つい先日、この辺ではナツノタムラソウを見ることが出来ないと分かり、それ以後戸惑うことがなくなった。 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2850.html この白色の小さい花は、先ほど見たシシウドと違うのだろうか。葉は1〜2回3出羽状複葉で、小葉の縁に粗い鋸歯がある。花弁は5枚あり、縦に折り目があり、外側へ向けて折られている、中央に2本雌しべがあり、長く伸びている。この花はセリになるようだ。先ほど見たシシウドの葉の縁には粗い鋸歯がない。また、花弁は5枚あるが、縦の折れ目がなく、花弁の先は内側へ反り曲がっている。 資料:https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/serika_yasai.html 直ぐ下にシシウドがあったので、撮影した。ここからは花の様子は分からないが、セリとは葉の様子の違いを知ることが出来る。羽状複葉で、先端の葉が3枚恐竜の足跡の様になっている。 藪の下の水辺近くに大きな株をしたシダが見えた。ここの斜面には色々なシダがありそうだが、ここからはよく見えない。このシダは明るい緑色で、葉は2回羽状複葉に見える。羽軸に翼があり、小羽片の基部に柄がつ見えるので、ミドリヒメワラビの様に見える。 キツリフネソウが咲いていた。キツリフネソウは赤いツリフネソウよりは早く開花すると聞いたが、その通りだった。ここへ来るのに大分日にちが開いたので、既に花期の末期に来ているように見える。ツリフネソウの花のつくりは、「花は唇形花で、上唇は上へ立ち上がっているのが1枚で、下唇は2枚に割れ大きく前へ伸びている。従って、花弁の数は3枚になる」と以前書いていた(資料)。 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2430.html 水車小屋への入り口にツリバナがある。今年は、5月5日に花を見ている。ツリバナを調べると、対照としてマユミが出てくる。マユミはよく見かけるが、ツリバナを見る機会は少ない。今年は、偶然四季の森公園で見ることが出来た。今は果実が褐色へ変わろうとしている。マユミの果実が4つに割れるのに対し、ツリバナの果実は5つに割れる。 ショウブ園への入口へ来ると、赤い果実が見えてきた。あの辺にはタニウツギがあったが、タニウツギは球形の赤い果実はつけない。すると、何になるだろうか。一瞬戸惑ったが、ガマズミの果実を思い出した。そういえば、ガマズミとタニウツギが並んでいたことを思い出した。 撮影:7月18日
記 平成30年7月25日(水)
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7月31日(火) | |||||
イノコズチ | ヒカゲイノコズチ:毛が少ない | 花序 | ミズヒキ | ジュウモンジシダ | |
ジュウモンジシダ:柄の鱗片 | ミドリヒメワラビ | ミドリヒメワラビの胞子嚢の分布 | オオバノイノモトソウ | オオバノイノモトソウ:中軸には翼がない | |
ゲジゲジシダ | ゲジゲジシダの中軸と羽片 | ゲジゲジシダ:胞子嚢の分布 | |||
7月31日(火) 花の樹園の奥へ進み始めると、イノコズチが見えてきた。上の方には花序が出始めている。イノコズチにはヒカゲイノコズチ、ヒナタイノコズチがあり、この区別が難しい。ここは環境から考えると、日陰になるのでヒカゲイノコズチになると考えられる。ヒカゲイノコズチはヒナタイノコズチに比べると、葉の表裏の毛が少ない。葉の表面を見ると、毛はあるが、やはり少ないと見える。花がどうなっているか見ると、これがやはり分かりにくい、花が終わると、小花は下へ向きを変え、枝に沿うようになるのだが、下の方はそのように見えるが、上の方はどちらなのか分からない。 ミズヒキも花序を長く伸ばし大分咲いてきた。花は、下が赤く、上が白く見える。この花はまだよく開いていないようだ。花が開くと、ミズヒキの花被片は先が4つに分かれ、上の3つが赤く、下の1片が白いのが分かる。ここの奥へ入ってきたのはジュウモンジシダの写真を撮るためだったが、ここまで来て、この道は1本手前の道だと気が付いた。 一端ショウブ園へ戻り、ジュウモンジシダのところへやってきた。ジュウモンジシダは先日も見ている。葉身は1回羽状複葉で、最下位羽片だけが特別に大きく、更に羽状に分裂している。この葉身の形が十字形になっていることからジュウモンジシダの名前が付けられたという。葉柄20cm、葉身40cmと葉身が葉柄の倍近くあった。牧野新日本植物図鑑をはじめいろいろな資料に「葉柄の下部に淡褐色または褐色で卵状長楕円形を呈する…鱗片を生じている」とあるが、薄い鱗片は分かるが、形までは捉えられなかった。胞子嚢は羽軸に沿って小羽片の中央に分布していた。 これは何遍も登場してきたミドリヒメワラビになりそうだ。2回羽状複葉で、小羽片はさらに深く切れ込んでいる。羽軸には平たい翼がある。小羽片の切れ込みも中肋までは達していないので、中肋にも翼があると見た方がよさそうだ。更に、小羽片は切形で、短い柄で羽軸へとながっている。中肋の表面には凹みがあり、それが羽軸へ届いている。馬蹄形をした胞子嚢の分布を見ると、中肋側に分布している。これに似たんのにヒメワラビがあるが、こちらの小羽片には柄がなく、斜めに広いくさび形をして羽軸へつながっている。 再び、ショウブ園へ戻り、先日よく見てなかったオオバイノモトソウのところへ移動した。オオバイノモトソウは芦原湿原から流れ出た水が蓮池へ通じる水路の脇にある。オオバイノモトソウはイノモトソウのところで1度触れている(資料)。2つの違いは「イノモトソウの中軸には翼があるが、オオバノイノモトソウにはない」とのことだった。オオバイノモトソウの中軸を見ると、そこには翼がなかった。 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2823.html この一角で、水路を隔てたところにゲジゲジシダがある。先日は一部分しか見られなかったので、今日は近くへ行き、接写写真を撮った。葉身は1回羽状複葉で、中央の幅が一番広く、頂部と基は幅が狭まった楕円形をしている。小羽片の基には三角状の翼が見られる。全体に毛が多く、小羽片の裏には縁に沿うように胞子嚢が密に並んでいる。 撮影:7月18日
記 平成30年7月27日(金)
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