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平成30年度                                                           四季の森公園の植物へ
6月
6月3日(日)
5月19日 開花前花序が閉じている 5月19日 閉じている花序 5月26日 花序が開いた 5月26日 開いた花序 ニガキ

ニガキの幹 ニガキの果実?or 種子? ソバ キツリフネソウ キブシの雄株

ショウブ園 ハナショウブ ハナショウブ ミズニラ

6月3日(日)

 もうキショウブの花の姿は見えない。そこにはクサヨシが背丈を高くし、穂を付けている。赤、黄、青などの色のなくなった光景はどうしても寂しく映る。下記の資料で、「クサヨシの花序は、開花直前には円柱状だが、開花がはじまると上方から花序枝を開き、果実形成期に入ると、今度は上方から順次、花序枝は中軸に圧着するように閉じてくる」と調べたことがある。5月19日と5月26日の写真を比べると、開花がはじまると花序が開いてくるという点は確認できるが、上から開いてくるという点は確認が難しい。そろそろ果実が形成されると思うので、その時もう1度見て見たい。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2775.html

 この樹を遠くから見た時、ハゼノキではないかと思った。しかし、写真を撮ってみると、葉の様子が違っていた。ハゼノキの葉はもう少し細身で、縁に鋸歯がない。葉のつき方は奇数羽状複葉になっている。灰黒色の幹を考えながら調べると、ニガキの名前が浮かんできた。花が分かればと、写真をよく見たが、咲いている気もするが、詳細は分からなかった。下記の資料などを参考にすると、緑色の粒は果実らしい。
  資料:https://matsue-hana.com/hana/nigaki.html

 この大きな葉はソバの葉なのだろうか。食糧としているものだが、身近にないものなので、殆ど目にすることがない。ミゾソバはよく見かけるので、知っている。しかし、ミゾソバの葉はこんなに大きくはない。ソバは栽培植物なので、ここが水田であった時の名残なのだろうか。

 つい先日まで、この木道の下はニリンソウが沢山花を付けていた。今ここにキツリフネソウが沢山出現している。未だ花が咲いていないが、花の時期が楽しみである。

 キブシの雄株を見た。雌株には果実が見えるが、この雄株には果実の姿がない。この春、雌花と雄花を探してみたが、2つの区別が中々つかなかった。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2727.html

 ショウブ園へ来ると、花が咲き出していた。未だ花数が少ないが、来週あたりが見頃になるのではとの話だった。ショブ園の花はハナショウブである。

 ショウブの中に混じって、ニラのように葉をたくさん出している草があった。これはミズニラで、珍しい植物だという。

 ショウブの中に混じって、ニラのように葉をたくさん出している草があった。これはミズニラで、珍しい植物だという。

撮影:5月26日他
  記  平成30年6月2日(土)
6月4日(月)
オカトラノオ ヤブレガサ ヤブレガサの花 クマノミズキの蕾? ウマノミツバの花

ウマノミツバの花 ヒメヒオウギ

6月4日(月)

 オカトラノオの背丈が大分高くなってきた。小花を見ると、白色に色づいている蕾が大きくなり開花を知らせているようだ。1週間後には花が見られるのではと思っている。

 ヤブレガサの葉の中央から長い花茎が立ち上がり、花が付き始めてきた。未だ花茎の数が少ないので、よく見ないと気が付かない。1つの花に見える花は、その中に沢山の小花が入っている頭花だという。小花はまだ開いていないようだ。

 ミズキの花期が終わってから3週間近く経つ。そろそろクマノミズキが咲き出してもいいのではと思って、何回か見に来ているが。一向にクマノミズキは花を咲かせてくれない。咲かせてくれないというよりも、花期が終えてしまったような姿にも見える。間近で見ることが出来ないので、望遠で撮影しているが、写真で見る限りでは、まだ蕾と思える。

ウマノミツバが咲いてきた。「もう、咲いたかぁ」という思いがした。ウマノミツバは花が小さい上に、薄暗いところにあるので、鮮明な写真を撮るのに毎年苦労している。苦労しても、成功したことがないので、この花の名前は忘れられない。中央に両性花、周辺に雄花をつけるというが、葯は見えるが、雌しべが見つからない。茶褐色の葯を付けた長い雄しべが見える花は雄花と思える。この花は周辺にあるようだ。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2273.html

 白色の地に赤い斑点模様が入った花が咲いていた。初めて見る花で、名前を調べるのに時間がかかった。樹木についてはいろいろな検索資料があるが、草本類にはそのような資料が見つからない。そのため、「白色の花に赤い斑点」で検索し、「白色の花に赤い斑点の画像」をクリックすると、試料とそっくりな写真が出て来たので、
 資料:http://www.bigme.jp/000-000-04-06/04-06-22/04-06-22.htm

を検索すると、「ヒメヒオウギ」の名前が出て来た。ヒメヒオウギはアヤメ科の球根植物だという。

撮影:5月26日他
  記  平成30年6月3日(日)
6月5日(火)
花期後、穂は閉じた。 閉じた穂:開花前と同じ姿になった  ムラサキシキブ 葉の表面、柄に毛がある。葉柄は赤みを帯びている 花冠は円筒花

小花 先が4つに割れ、雌しべ1、雄しべ4が花冠から突き出ている ハナノキ(ハナカエデ) ハナノキ(ハナカエデ)の葉の表 ハナノキ(ハナカエデ)の葉の表

6月5日(火))

 このところ毎週土曜日、四季の森公園で見どころ案内を行っているので参加してみた。毎回学ぶところがあり、ためになっている。

 クサヨシ

 キショウブの咲いていたところに、キショウブに代わってクサヨシが出現してきた。「クサヨシの穂は、開花前は閉じており、上から開花が始まると、穂が開き始め、花期が終わると、上から閉じる。」という。この現象を確かめてみた。確かに、開花前の穂は閉じており、開花すると開き、花期終了後は再び閉じた。しかし、上から順次開き、閉じる現象は確認できなかった。一般的に花は朝開き、夕方閉じる。開花が終わると、閉じる現象は当たり前のだが、同じ穂をつくるイチゴツナギなどは花期を終えても穂は開いたままであることを考えると、クサヨシの穂の現象は興味深い。資料1は開花前と開花後を捉えている。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2352.html

ムラサキシキブ

 はす池沿いの木道を進んで行くと、既に花を終えてしまったニシキギやミツバウツギが沢山見られる、それらを見ながら進むと、薄らと紫色がかった花が見えてきた。これがムラサキシキブである。この仲間にはコムラサキ、ヤブムラサキなどがある。コムラサキは公園などによく植えられており、ムラサキシキブよりは小型で、花も小さい。しかし、果実がムラサキシキブのように簡単に落ちないので、秋には艶のある紫色の果実が輝いて見える。ムラサキシキブは果実が簡単に落ちて仕舞うので、秋にはコムラサキ程の美しさを期待できない。ムラサキシキブの花が見え出すと、毎年、ヤブムラサキとどこが違っているのか考えるようになる。しかし、この違いがよく分からない。以前調べた時、「ムラサキシキブの両面が多少ざらつくのに対し、ヤブムラサキは触るとビロー状の感触があることで区別できる」や「葉の基部の形の違い」などの資料があったが、区別は難しい。ヤブムラサキを見つけるのが大きな課題だが、未だにそれらしきものが見付けられていない。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1791.html
 資料:https://kouenn001.hatenablog.com/entry/14795393

 ハナノキ

 観察の一行の先頭は先へ行って仕舞ったが、「この樹は何という樹?」と聞き、誰かが「ハナノキ」と答えている会話が耳に入って来た。ハナノキの名前は聞いたことがあるが、実物は知らなかった。そこで写真を撮っておき、調べてみた。すると、下記の資料で、ハナノキは別名ハナカエデと記載されていた。葉の形を見ると、トウカエデの葉に似ている。ハナカエデ、トウカエデともカエデ科、カエデ属である。よく見かけるトウカエデの葉には鋸歯がない。
 資料:http://zasshonokuma.web.fc2.com/hagyo/ha/hananoki/hananoki
撮影:6月2日
  記  平成30年6月3日(日)
6月6日(水)
ニワトコの果実 アメリカヤマゴボウ(ヨウシュウヤマゴボウ) ヒゲナガスズメノチャヒキ? ヒゲナガスズメノチャヒキ?の小穂 チガヤ

ヤブジラミ ヤブジラミの小花

6月6日(水)

 ニワトコ
 木道を池沿いに歩いていると、赤い実が見えてきた。「もう果実が出来る時期になったのかぁ」と思った。果実も緑色の時は季節の移り変わりをそれほど意識しないが、赤くなったり、黒くなったりと色が付き始めると季節の移り変わりの意識が生まれてくる。この樹はニワトコである。今年はこの花を見ることがなかった。黄白色花で、先が5つに割れ、反り返る。以前、花の写真を撮っていた時、手を触れると、小花がぽろぽろと落ちてきたことが印象的だった。あの時は花期の末期だったようだ。

 アメリカヤマゴボウ(ヨウシュウヤマゴボウ)
 この花は北米原産の多年生の大型草本で、藪の袖口などでよく見かける。太い茎、茎から出る枝は赤みを帯びている。先週は花がよく分からなかったが、今日は花が咲いている様子が分かる。牧野新日本植物図鑑によると、「萼片は5個、花弁はない、雄しべは10個、10個の花柱がある」というので確認した。白色で丸みを帯びた花弁のようなものがある。これが萼と分かる。雄しべは1枚の萼の上に2本が組になっているように見える。萼が5枚だから合計10本になる。中央の緑色のものは子房になり、10個に割れ目で仕切られており、各子房の先に花柱が伸びている。注意して見ていると、中々精密に出来ていることが分かってくる。

 ヒゲナガスズメノチャヒキ
 畑の縁に靡いている草がある。前から気が付いていたが、名前が分からないのでそのままにしておいた。穂が垂れている姿はカモジグサなどに似ている。このまま放っておくと、次回は見られなくなってしまうのではと思い、写真に収めた。穂を見ると小花から長いノギが出ている。この姿からスズメノチャヒキの名前が浮かんだ。草全体の姿を見ると、スズメノチャヒキとは幾分違うが、一応、スズメノチャヒキで検索してみた。すると、検索の中にヒゲナガスズメノチャヒキの名前が挙がっていた。若しかしたら、この可能性があるかも知れないと思い、早速開いてみた。すると、資料とそっくりな写真が掲載されていた。幾つかのポイントをチェックすると、背丈56cm、花序の長さ21cm、小花1cm、ノギ1.5cmであった。資料1、2を見ると、ノギの長さが、資料1では5〜6cm、資料2では4~6㎝と非常に長いのが気になるが、試料はヒゲナガスズメノチャヒキになると思う。
 資料1:http://zasshonokuma.web.fc2.com/hagyo/ha/hananoki/hananoki
 資料2:http://mikawanoyasou.org/data/higenagasuzumenotyahiki.htm

 チガヤ
 芦原湿原に沿って進み出すと、チガヤが目に入った。先週は気が付かなかったが、見逃していたと思われる。チガヤは1年中湿り気のあるところに見かける。この花を最初見たと時は、湿原にあるという意識はなかったが、最近になってこのような湿り気のあるところに生育することが分かってきた。綿のような穂を見ると、チガヤと分かるので、それ以上深くこの花について考えることがなかった。何時かさらに詳しく調べてみようと思っている。

 ヤブジラミ
 コナラやクヌギの大きな樹が長い枝を出し、葉を沢山付けているので、この辺りは薄暗くなっている。この薄暗いところにヤブジラミの小さな花が咲いていた。ヤブジラミの名前を聞くと、直ぐヤブニンジンの名前が出てくる。何方もセリ科の花で葉がよく似ており、花も白く小さいので、区別が難しい。今、ヤブジラミを見ているが、今年は既にヤブニンジンを見た気がしたので、遡って調べてみた。すると、4月19日、ここの四季の森公園で見ていたことが分かった(資料1)。牧野新日本植物図鑑によると、ヤブニンジンは春の終わりごろ、ヤブジラミは夏に咲くとある。ヤブニンジンの方が幾分早く咲くようだ。また、2つの違いを調べると、ヤブニンジンは花の下に細長い花柄があるのに対し、ヤブジラミの花の下は楕円形をした子房の膨らみがあり、棘が密生している。2つを見分けるには、開花の時期と、花の下の子房の形を見るといいようだ。

 ヤブジラミの小花について詳細を知ろうとしているが、中々上手くいかない。まず、肉眼で見ていたのでは手掛かりが掴めない。小花を見ていると、どう見ても八重に見えるので、花弁が5枚ということが理解できなかった。資料2を見ると、「花弁は5個、先端中央で中裂しうねる」と書かれていた。この説明が花の謎を解くカギになった。2枚で1枚の花弁とみると、5枚に見えてきた。それにしても綺麗な写真が撮れないと、この先へは進めない。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2729.html
 資料2:https://matsue-hana.com/hana/yabujirami.html
撮影:6月2日
  記  平成30年6月3日(日)
6月7日(木)
マユミ マユミの果実 クリ?の雄花 クリ? ハナジョウブ

オカトラノオ オカトラノオの蕾 ヒヨドリバナ ヒヨドリバナの蕾 カワセミ

クマノミズキ クマノミズキの花

6月7日(木)

 マユミ
 花期を終えたマユミが随分大きくなってきた気がする。つい最近まで、緑色の果実が見えていたが、葉が大きくなったため、葉の陰に隠れるようになった。果実をよく見るためには葉を持ち上げなければならない。この葉を持った時、長く伸びた枝、葉を見ると、この葉は複葉ではないかと思えてしまった。そのため、もし果実がなかったら、この葉のつき方からは、マユミとは分からないのではと思えてきた。

 木道に沢山の花序が落ちていた。この花序から思えるのは、コナラである。しかしコナラは既に花期を終えている。スダジイ、マタバシイはここにはない。上空を見ると、細長い楕円形の葉があった。クヌギかクリの樹である。クヌギの花期も終わっている。この樹は先日からクリの樹と見ているが、今見える花は雄花だけなので、クリと思うが、確証がない。雌花がないかと、上空を見たが、見つけにくく、見つからなかった。昨年は6月の初めに、別の公園で雄花、雌花を見ているので、どこかに出来ていてもおかしくないと思うが、今日は見つからなかった。

 ハナジョウブ
 先週の見どころ案内の時、来週あたりから見頃になるのではないかと言われていたので期待していた。先週よりは大分花数が増え、ショウブ園らしくなってきた。見学に訪れている人も多くなっている。ハナショウブは花が大きいだけに見応えがある。アヤメは花弁の根元に網の目の模様、カキツバタは白色の模様があり、ハナショウブには黄色の模様がある。

 オカトラノオ
 オカトラノオの蕾に大分白色の色がついてきた。この様子から推定すると、来週には花が開くのではないかと思われる。ここのオカトラノオの花を見るのは初めてである。オカトラノオの花冠には5裂するものと、6裂するのを見ている。ここのオカトラノは何裂しているのか、興味がある。

 ヒヨドリバナ
 右の崖にヒヨドリバナが見えた。「ヒヨドリバナはこんなに早く咲くのだろうか」と、一瞬思った。離れているので、開花しているか分からなかったが、望遠写真を撮ってみると、まだ蕾だった。記録を辿ると7月頃に咲いているのを見ているので、この分だと、6月下旬には咲きそうに思える。牧野新日本植物図鑑によると、「花期は8月~10月ごろ」となっている。やはり早すぎと言わざるを得ない。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2864.html

 カワセミ
 先日、はす池でカワセミを見たが、今日もいるようだ。野鳥観察をしている人が一斉にカメラを向け出したので、同じ方向を見た。カワセミは池の中の先日と同じ樹に止まっている。今日も逃げられないうちに写真が撮れた。背中の中央に明るい青色の模様が見える。カワセミは野鳥の中でも綺麗な色をしているので、1度見ると強く印象に残る。

 クマノミズキ
 ミズキが花を終えてから大分経った。クマノミズキはミズキに遅れて咲くというので、「何時咲くのだろうか」と思いんがら、ここへ来る度に見ていた。今日、6月2日に梢を見ると、先週とは様子が違っていることに気が付いた。漸く咲いたようだ。望遠で見ているので、小花の細かいところは分かり難いが、十字形をした花はクマノミズキ、ミズキとも共通している。雄しべの数が4本と言うので、確認したが、この写真では確認できなかった。

撮影:6月2日
   記  平成30年6月3日(日)
6月22日(金)
コバノカモメヅル オカトラノオの群生 イヌゴマ イヌゴマの花 ナツノタムラソウ?

ナツノタムラソウ? ナツノタムラソウ? ナツツバキ

6月22日(金)

 芦原湿原の一番奥まったところにコバノカモメヅルがあり、花をつけている。コバノカモメヅルの名前の由来を調べようと、牧野新日本植物図鑑を見ると、カモメヅルの名前の付くものが「アオカモメヅル、コバノカモメヅル、コカモメヅル、オオカモメヅル」と4種類挙げられていた。こんなにあるものか、と思いながら読んだ。コバノカモメヅルの欄に、本種をカモメヅルと呼ぶのは誤りで、カモメヅルはタチカモメヅルの別名と記されていた。そこで、タチカモメヅルについて検索すると、記載が見つからなかった。インターネットで「カモメヅルの名の由来」で検索すると、多くの資料に「対生する葉の形態をカモメの翼にたとえたものという」と記載されていた。コバノカモメヅルは「小葉鴎蔓」と書き、葉が小さいカモメヅルを意味している。花の名前が葉の付き方、大きさを基にしてつけられたことが奇妙に思えた。4つのカモメヅルはいずれも萼、花冠が深く5裂している。コバノカモメヅルの5裂した花冠の先端は捩れ、風車の形になって見える。中心に見える小さい花のようものは副冠で,この内側に雄しべとめしべが入っている。

 先ほどから、ぽつりぽつりとオカトラノオを見てきたが、ここ一帯にオカトラノオが群生している。白色の曲がった花序が虎の尾に似ているところからこの名前が付けられたという。今最盛期を迎えているようだ。

 叢にピンク色の花が1輪見えた。離れているので、望遠写真を撮って見た。花は輪生している。小花を見ると、唇形花であり、上唇は立ち上がり、下唇は3つに割れている。葉は対生で、細長い楕円形をしている。イヌゴマになるようだ。昨年の8月22日に、舞岡公園で見ていたが、すっかり記憶になかった(資料)。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2389.html

 蓮池の垣根に青紫色の花が咲いてきた。先日も咲いていたが、あまりよく見ていなかった。先日一目見た時、「これはナツノタムラソウか、アキノタムラソウか、それとも園芸品か」と思った。例年見かけるアキノタムラソウは叢の中にあり、自然に出現してきたと考えらえるが、この垣根の傍だと、自然に出現してきたのか分からない。タムラソウの名前が出てくると、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウ、それにタムラソウの名前が挙がる。ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウの3つについては共通性があるが、タムラソウについては共通性がない。このことについては、過去に調べたことがある(資料1)。中村浩さんは、タムラソウだけ別の語源であると指摘していた。ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウの3つのことになるが、よく見かけるのはアキノタムラソウで、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウはめったに見かけない。このことについても過去に調べたことがある(資料2)。資料2では、ハルノタムラソウは、『ウイキペディアによると、「本州では紀伊半島、四国、九州に分布する」』と記した。したがって、横浜辺りで見ることはないと頷ける。ナツノタムラソウとアキノタムラソウの違いについては、資料3で、「ナツノタムラソウは雄しべが曲がらず、花冠の外へ突き出る」と学んでいる。しかし、理屈と実際とは上手く噛合わない。この写真を見ると、雄しべが真っすぐ伸びている。従って、これはナツノタムラソウになると思われるが・・・。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2416.html
 資料2:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2439.html
 資料3:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2419.html

 蓮池前にナツツバキが1本ある。花が目立たなく、うっかり通り過ぎてしまった。戻ってみると、花は残っていたが少なく、花期の末期であった。ここへ来るたび見ていたのだが、来るのに少し間が開いてしまったのかもしれない。

撮影:6月17日
    記  平成30年6月20日(水 
6月23日(土)
イヌカタヒバ 自宅で見つけたイヌカタビバ?

自宅で見つけたイヌカタビバ?

中心に見える小さい葉が背葉?

両端に見える大きい葉が腹葉?

カタヒバ イヌワラビ

ここが欠損した基部下側第1小羽片の位置だろうか ゲジゲジシダ ベニシダ 2列に並んだ赤褐色の胞子嚢 オオハナワラビの裸葉(栄養葉)?

6月23日(土)

 四季の森公園でシダの観察会があるというので参加してみた。集合時刻の13時に集合場所へ行くと、50人を超える程の参加者が集まっていた。こんなに関心を持っている人いるとは、驚くばかりだった。3つのグループに分かれ、それぞれにインストラクターが付き観察会が始まった。

 普段行くことのないセンター棟の裏の植込みへ行った。最初に紹介されたのは、イヌカタヒバであった。盆栽の鉢によく現れてきて、駆除が難しいと思っていたものである。シダについては初めて学ぶので、手始めに下記の資料を読んだ。下記の資料によると、「イヌカタヒバは、常緑シダ植物で、葉には2型があって、大型の腹葉と小型の背葉をつける」という。腹葉と背葉とは一体何だろうか、この言葉の意味することから調べなくてはならなかった。腹は前、背は後とみて、腹葉は表面から見える葉、背葉は裏側から見える葉と解釈した。葉の軸の裏側を見ると、交互に2列に並ぶ単葉のようなものが見える。これが背葉と見るようだ。資料では、「背葉の辺縁に白膜があり、先端は芒状に尖る。」とあるので、自宅のプランターにあったイヌカタヒバと思われるものを見た。背葉を見ると、非常に小さい。接写写真を撮ってみたが、白膜、芒状も確認できなかった。
  資料:https://matsue-hana.com/hana/inukatahiba.html

次に紹介されたのは、カタヒバである。イヌカタヒバの名前からイヌの名前がとれただけで、紛らわしい。カタヒバは緑色が濃く、ひも状に見え、葉が密集していない。下記の資料によると、「腹葉に鋸歯はないが、背葉の縁に鋸歯がある」と説明されている。裏面の写真を撮っておくべきであった。
 資料:https://matsue-hana.com/hana/katahiba.html

 次にイヌワラビが紹介された。葉身は卵形から広卵形、2回羽状複葉、羽片には短い柄がある。夏緑性シダ植物で、牧野新日本植物図鑑によると、「葉に長い柄があり、柄の長さ30~50cmでやわらかい」という。葉軸が紫色をしているのが特徴と話された。下記の資料によると、「最下部羽片の基部下側第1小羽片はないことが多い」という。
  資料:https://matsue-hana.com/hana/inuwarabi.html

 次はゲジゲジシダである。このシダは以前教わったことがある。葉身は細長い。中央付近の羽片が長く、間隔があいている。下記の資料によると、「葉身は1回羽状複葉で、上下に向かって幅が狭まる」とある。このシダの形として、「五角形、三角形、魚型」と説明されたが、よく理解出来なかった。ここで改めて考え直すと、「上下に向かって幅が狭まる」ことから、魚の骨組みが連想できる。魚型が一番合っているように思えた。名前はゲジゲジの姿から来ているという。

次は、常緑性のベニシダである。若い葉が赤みを帯びていることが特徴である。今見ると、右横の若い葉は確かに赤みがかっている。しかし、左の葉は若くないこともあり、緑色である。こうなると、ベニシダとは分からない。葉身は三角形に見え、2回羽状複葉。葉の裏側には赤褐色の胞子嚢が2列に並び、きれいに映った。下記の資料によると、「最下羽片基部の下向き小羽片が短い、羽軸裏面には袋状鱗片が多い」など興味深い指摘があった。
  資料:https://matsue-hana.com/hana/benisida.html

 次は、冬緑性のオオハナワラビになる。この株は小さいので、葉身は三角形に見えたが、牧野新日本植物図鑑によると、「ほぼ5角形で、2~3回羽状に深裂する」とある。また、「オオハナワラビには裸葉と実葉がある」と記載されていた。「裸葉と実葉」とは何のことだろうか。資料1によると、「裸葉は栄養葉ともいわれ、生殖器官としての胞子嚢を形成しない葉で、実葉は生殖器官としての胞子嚢を形成する葉」の意味ということである。裸葉(栄養葉)の基から胞子嚢穂の茎が出る。ということなので、今見ている葉はオオハナワラビの裸葉(栄養葉)と思える。このシダは小葉の切れ込みがかなり浅く、細かい。
 資料1:https://kotobank.jp/word/%E8%A3%B8%E8%91%89-147877
 資料2:https://matsue-hana.com/hana/oohanawarabi.html

撮影:6月18日
    記 平成30年6月20日(水) 
6月24日(日)
カニクサ ヤブソテツ ゼンマイ ミドリヒメワラビ ミドリヒメワラビ:小羽片基に短い柄がある(足がある)

左奥:ミドリヒメワラビ 右:ゲジゲジシダ オオバノイノモトソウ ノキシノブ

6月24日(日)

  場所をはす池の前庭へ移動して、ケヤキの植込みの石垣を見た。ここにはカニクサ(ツルシノブ)がある。カニクサは三ツ池公園でも見てきている(資料1)。資料1では、「牧野新日本植物図鑑によると、関東地方以西の山野に普通見られるつる状の多年性草本で、地上部は全てが葉である。・・・子供がこの蔓でカニを釣ることがあるためで・・・」ことから、これがシダの仲間ととらえていた。しかし詳細については調べていなかった。カニクサの葉の中には胞子葉と栄養葉がある。2種類あるようだが、胞子葉は栄養葉が変化して出来るという。栄養葉の先端に胞子が出来ると葉の幅が狭くなり、縮れた感じになるという。写真の左側が胞子葉になるとの説明があった。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2400.html
 資料2:http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/pteridophyta/schizaeaceae/kanikusa/kanikusa.htm8494

 次はヤブソテツを見た。これは今までのシダと違い、葉身が細かく刻まれていない。下記の資料を見ると、ヤブソテツの仲間は6種類挙げられていた。これを知り、「こんなにもあるのか・・・」と思った。それでも、身近に見られるのはヤブソテツとオニヤブソテツということだった。2つは、側羽片の幅と数が大分違い、ヤブソテツは幅狭く、20対前後になると記載されていた。写真は10対である。側羽片の幅は広く見えるが、オニヤブソテツを探して比較しないと確かなことは言えない。
  資料:http://www.ne.jp/asahi/sunsun/tanpopo/mikurabe/yabusoteturui/yabusoteturui.htm

  ゼンマイが紹介された。名前はよく知っているが、実物はよく分からなかった。葉身は、三角状広卵形、2回羽状複葉で、小葉には切れ込みがなく、縁が波を打っている。下記の資料によると、『「銭を巻く」という言葉がなまって、「ゼンマイ」となった。』とあった。牧野新日本植物図鑑によると、「銭まき」の意味とある。胞子葉の最初の丸い形を貨幣に例えたらしい。
 資料:http://www.forest-akita.jp/data/sansai/14-zenmai/zenmai.html

 夏緑性のミドリヒメワラビが紹介された。イヌワラビ、オオハナワラビに続いての3番目のワラビである。「イヌワラビは葉軸が紫色をしている。オオハナワラビは裸葉(栄養葉)の基から胞子嚢穂の茎が出る」という特徴があった。3つのワラビを見ると、羽片が互生になっている点は共通している。葉身は、2回羽状複葉の大きな三角形をしている。「ミドリヒメワラビの小羽片基に短い柄がる(足がある)がヒメワラビの小羽片基には短い柄がない」とミドリヒメワラビとヒメワラビの違いについて説明があった。

 水路の上にある橋から下を覗き込み、左奥にミドリヒメワラビがあり、右にはゲジゲジシダがるとの説明があった。上から見ると少し離れているので、それぞれの特徴が摑めなかった。ミドリヒメワラビの短い柄を探したが、ここからは確認が出来なかった。一方、ゲジゲジシダの方の葉は先程のものと似ているが、葉の基が隠れていたため、魚型が捉えられなかった。

   参加者の中から右手に何かがあると指摘があった。すると、あれは「オオバノイノモトソウ」との説明があった。初めて聞く名前で、覚えにくい名前である。ヤブガラシなどに隠されて全体像がつかめなかったが、縁が波を打った細長い布のように見えた。下記の資料によると、「羽片の辺縁は鋸歯状で基部が中軸に流れて翼とならない」とある。小羽片は細長く、縁が波を打っている。縁の糸状のような鋸歯は何とか分かる。イノモトソウとの比較で、イノモトソウの中軸には羽があるが。オオバノイノモトソにはないとの説明があった。下記の資料のイノモトソウを見ると、違いが分かった。
 資料:https://matsue-hana.com/Graphics/lgal/20889.jpg

 芦原湿原沿いに進み、コナラの樹のところへやって来た。コナラの樹の窪みにノキシノブが出現していた。こういう光景はよく見かけるが、ノキシノブそのものはよく見ていなかった。ノキシノブはシダ特有の羽片に分かれず、細い葉が小株をつくる様に点々としている。牧野新日本植物図鑑によると、「葉は接近して根茎上に出て並んでいるので、束生しているように見える」とある。更に、「葉は全縁で、先端は鋭尖し、基部は次第に狭くなり、短い柄に変わる」とある。この辺も正確には掴めなかった。
撮影:6月18日
    記 平成30年6月20日(水) 
6月25日(月)
タチシノブ ミゾシダ イノデ ホシダ リョウメンシダ

コウヤワラビ トクサ

6月25日(月)

  ここから山へ入って行った。ここに道があることは知っていたが、初めて入る道である。林の中だけに中は薄暗い。正にシダの生育していそうな環境である。

 ここで最初に紹介されたのは、ニンジンの葉に似た葉をしているタチシノブであった葉身は灰緑色で、3回羽状複葉に見える。葉は柔らかそうで、しなやかである。下記の資料によると、「葉柄は葉身とほぼ同長で、針金状,・・・中軸や羽軸は向軸側(表面)が溝となる」とあった。面白そうな特徴だったが確認できなかった。
  資料:http://plants.minibird.jp/kansai/kansai50/kansai_ta/con_ta/tatiSinobu/tatiSinobu.html

 更に奥へ入ると、ミゾシダがあった。暗い所にあり、フラシュを焚いて写真を撮った。葉は濃い緑色をしている。羽片の切れ込みが狭く、小羽片の間隔が狭い。小羽片の先端は丸みを帯びている。上の方の羽片には柄がなく、ぴたりと中軸についている。こういうつき方を中軸に流れてつくと表現するのだろうか。牧野新日本植物図鑑によると、「葉身は卵状長楕円形1回羽状複葉、上部の羽片は次第に小さくなり、下部のものはわずかに下向きにつく」とある。下部の羽片を見ると確かに下向きになっている。牧野さんは、「やはり、細かいところまでよく見ている」と思った。

 崖下を見ると大きなシダの株が見えた。葉身も長く大きい。イノデと紹介された。葉身は、長楕円形で、2回羽状複葉、先が次第に細まる。羽片は25対以上あり、大きな葉になっている。ここから見ると、羽片がのこぎりの歯のように見える。

 次に見たのはホシダである。葉身は細長い楕円形で、1回羽状複葉羽片の切れ込みが浅く、鋸歯とみていいのだろうか。鋸歯の先は鋭い。写真が鮮明でないので、詳細は分かりにくい。牧野新日本植物図鑑によると、「羽片のもとは切形で、短柄がある」という。更に「穂羊歯と書き、葉の先が穂のように伸びた頂片になっていることからホシダと名付けられた」という。

 一番奥で紹介されたのはリョウメンシダである。名前の通り、両面が同じように見え、どちらが表で裏か分からない。葉身は2回羽状複葉で大きな株になっている。「杉の林の下によくみられる」という説明があった。

 ここから来た道を戻り、芦原湿原へ向かった、来たところはキブシやマユミが近くにある木道である。この木道から芦原湿原の中を覗いた。ヨシなどの湿原植物に混ざってコウヤワラビが繁殖していた。先日もここを歩いていて、コウヤワラビの存在に気が付いていた。名前が分からなかったので、課題にしていた1つであった。葉軸に翼があり、羽片の縁は波を打った鋸歯状をしている。

 ここから場所を変えて、ショウブ園へ向かった。ショウブ園の入り口にトクサがある。この存在には以前から気が付いていた。見たところ細いタケのようで、節が見える。葉がないように見えるが、牧野新日本植物図鑑によると、「節に見える黒色の部分が、鞘状の葉である」という。

撮影:6月18日
    記 平成30年6月21日(木) 
ミズニラ イワガネソウ イワガネソウの葉脈(網の目) 奥がジュウモンジシダ ジュウモンジシダ

イワガネゼンマイ イワガネゼンマイの葉脈(並行脈) トラノオシダ オニカナワラビ イノモトソウ

6月26日(火)

  ショウブ園の中へ入った。ショウブの花の数は大分少なくなり、ピークは過ぎてしまった。それでも咲いているショウブを見ると、花の美しさは伝わってくる。このショウブに混ざってミズニラがある。ミズニラについては土曜日の見どころ案内で紹介してもらっている。水の中で線状にに見えるものがミズニラだという。葉は鮮緑色で柔らかく、四角ばった円柱状であるという。手に取って見られないが、アップ写真を見ると、四角ばった様子がつかめる。

 ここから秋にモミジが美しいた奥へ移動した。道が行き止まったころで、イワガネソウが紹介された。一見近くのシャガの葉と見間違えるほどで、紹介されないとシダの仲間とは思えなかった。葉の裏の葉脈が網目状になっていると説明された。これと似たものに、後で見るイワガネゼンマイがあるので、「この模様を覚えておくといい」と説明された。ちょっと暗く分かりにくかったが、写真で見ると、何とか網目状が分かった。

 ここから少し上ったところにジュウモンジシダがあるというので、向かった。ジュウモンジシダはちょっと奥まったところにあり、枝が「十」の文字に見えるのが特徴になっている。しかし、ここからは「十」の文字が分かりにくかった。

 ショウブ園へ戻り、先ほどイワガネソウの説明の中で触れたイワガネゼンマイを見た。イワガネゼンマイの葉脈は網目にならず、羽片の先が急にとがる特徴がるというので、見たが、葉脈は完全な並行脈ではないように見えた。間違えて撮影したのかと、疑ってみたが、そうでもないようだ。

 蓮池の周りの道に戻って進んだ。オカトラノオが群生している。この光景は一足先に来て見ている。ここの石垣に映えているシダの紹介があった。葉の上の方が垂れているので、葉軸は柔らかそうだ。このシダは大きくなく、葉の形がトラノオに似ていることで、トラノオシダという。葉軸の表面に浅い溝があるというので確認した。

 オニカナワラビが出てきた。葉身は、底辺が極度に長い三角形、2回羽状複葉。下記の資料によると、「最下位の後側の第1小羽片が一番長い」という。「最下位の後側の第1小羽片」はどの部分を指すのだろうか。写真などから、およその見当がつくが、正確な位置が分からない。「最下位の後側」がどこを指しているのか、いろいろな資料をあたったが、分かりやすく説明した資料は見つからなかった。
 資料:https://matsue-hana.com/hana/onikanawarabi.html

 イノモトソウのところへ移動した。イノモトソウについては、オオバイノモトソウを見ていた時、「イノモトソウの中軸には翼があるが、オオバノイノモトソウにはない」との説明があった。イノモトソウの中軸には翼があるというので、そこを中心にしてみた。細い線状の羽片が中軸から出ている。頂部にも長い羽片が見られる。肝心な中軸の翼を探すと、中軸が細長い羽片と同じような形をしているのが見えた。

 最後に紹介されたのはオクマワラビである。葉身は細長い三角形で、先へ行くと、羽片が短くなっている。裏には胞子嚢が2列に並んでいた。

撮影:6月18日
    記 平成30年6月21日(木)