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平成30年度                                                           四季の森公園の植物へ
3月
3月1日(木)
アキニレ アキニレの冬芽 ナツツバキの冬芽 はす池 フクジュソウ

フクジュソウ クマノミズキの冬芽 マンサク マンサクの花

3月1日(木)

 急に春が来た錯覚を感じるような暖かい陽気になってきた。陽気がいいので、昨年の暮れから見始めた四季の森公園へ出かけた。地下鉄中山駅へは何度か来ているが、通路が入り組んでいて、出口が見つけにくい。エスカレーターを何度か乗り継ぎ、漸く外へ出た。駅前広場は、出入りするバスと、乗り降りする人で混み合っている。駅前を真っ直ぐ進み、中原街道を渡ると、車や人の騒音から解放され、ホッとした。道並みには色々な樹木が現れてくる。ここから15分ぐらい歩くと北口入口へ着く。

 北口を入ったところに大きなカツラとケヤキの樹があり、前方にはす池が広がっている。左側は小高い前山になり、大きな樹木が聳えている。ここの広場のアキニレを見た。先日は果実が残っていたが、今はなくなっている。アキニレは幹に樹皮が剥がれた痕が斑点状に残っているのが特徴になる。楕円形で、何枚かの芽鱗に包まれた冬芽は2mmほどで幾分大きくなった気がする。

 橋の前のナツツバキを見ると、冬芽が白銀に輝いている。目をずらすと「ピカッ、ピカッ」と光る。芽鱗が一皮むけ、沢山の白色の毛が見えてきた証拠である。大きさを計測すると、長さ1.1cⅿ、幅3~4mmであった。少しずつ大きくなっているようである。

 先日凍っていたはす池の水面には波紋が見られなかったが、今日は春のような日を受け、波紋が見られる。水面を見ていると、水の緩み、やわらかさが感じ取れる。

 案内所の掲示に、前山にフクジュソウが咲いていると情報があったので、早速探そうと橋を渡った。すると、すぐ正面に写真入りの掲示があったので、探すことなくフクジュソウは見つかった。先日、舞岡公園で大きく花を開いたフクジュソウを見て来たが、ここは咲き始めたばかりで、花が小さい。花の周りを見ると、淡い紫色をした卵のようなものがごろごろしていた。これは何かと思い、写真を拡大して見ていると、フクジュソウの蕾らしいことが分かってきた。舞岡公園の写真を見直すと、同じような蕾が写っていた。今まで、フクジュソウの蕾へ目を向けっていなかったことが分かった。

 フクジュソウを見た後、注目しているクマノミズキのところへ行った。先の尖った冬芽の姿は先日見ているので、今日はその様子を確認した。望遠の写真だが、頂芽の形が確認できた。

 直ぐ隣にマンサクが咲いていた。この花の開花についても案内所の掲示で紹介されていた。先日来たとき、この花が開き始めたのを確認していたので、今日は花数がぐっと増えていることは予想できた。黄色く見えるものが花弁で4枚ある。赤紫色のものは萼になる。

撮影:2月24日
  記  平成30年2月25日(日)
3月3日(土)
シナサワグルミ シナサワグルミの幹 シナサワグルミ:下から出て来た枝 シナサワグルミの冬芽 ヤシャブシの雄花花序と葉芽

ヤシャブシの葉芽

3月3日(土)

 この幹には溝が刻まれたような模様がある。名前は何というのだろうか。このような模様があると、思い出すのはコナラかクヌギである。しかし、茶褐色の毛に包まれた冬芽を見ると、明らかにコナラやクヌギとは違っている。先日この樹について調べたところ、サワグルミに到達した(資料1)。しかし、まだよく分からないので、再びこの樹を調べることになった。太く、高く伸びた樹の冬芽は直接見ることは出来ないので、幹の下から出て来た枝の冬芽を手掛かりにすることになる。この冬芽は先日も見ている。表面に星状毛があり、葉脈と思われる浅い溝が刻まれている。頂芽は大きいのと小さいのとがあり、手を組み合わせたようになっている。この冬芽を手掛かりに、先日サワグルミへ到達したが、疑問が残っている。舞岡公園で見続けているサワグルミの冬芽は灰白色の殻(芽鱗になるのだろうか)を被っている。しかし、この芽鱗が剝げた後の冬芽の姿を正確に捉えたことがない。先日、資料2を見て、殻から抜けたと思われるサワグルミの写真を見て、一瞬驚いた。殻が抜けた冬芽は茶褐色の裸芽で、葉脈らしいものが見えた。その時、この樹はサワグルミになるかも知れないと思った。その後、「舞岡公園のサワグルミの樹はは直立しているが、四季の森公園のものは斜めに傾いている」と不思議に思った。この点は、ハンノキとヤシャブシとを考えた時も同じ考えがあった。さらに調べて行くと、四季の森公園で同じように調べている人がいて、「シナサワグルミ」として紹介されていた(資料2)。そこで,何点かの資料にあたり、確認してみた。冬芽の下の葉痕を見ると、シナサワグルミはハート形がはっきりしていたが、サワグルミは明確でなかった。写真の葉痕はハート形をしている。以上のことからこの樹はサワグルミよりシナサワグルミに近いと思えてきた。
  資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2550.html
  資料2:http://midori.eco.coocan.jp/kimama/huyume/ka-kurumi.html

  シナサワグルミの樹から少し戻ったところにヤシャブシの樹がある。先日、このヤシャブシとハンノキについて調べて見たが、未だ、よく分からないところがある。ハンノキの雄花花序は枝から下がっているが、ヤシャブシの雄花花序は上を向いている。雄花が咲き出すと、雄花花序は下がってくるという。今日見ると、まだ雄花花序は上を向いている。未だ咲いていないようだ。望遠写真では鮮明に見えないので、何とか近くへ寄せられないものかと考えた。下の沼に枯枝があったので、それを手掛かりに枝を下げると、雄花花序は手に届いた。確かに冬芽の芽鱗が堅く閉じているのが確認できた。ヤシャブシは雄花花序が枝先にあり、雌花花序や葉芽はその下に位置しているというので、雌花花序を探してみた。しかし、見つからなかった。雄花花序の下に見える冬芽は、先日も遠くから見ている。この冬芽は葉芽になると思う。
  資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2047.html
 資料2:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2554.html

撮影:2月24日
  記  平成30年2月26日(月)
3月5日(月)
ウグイスカグラの蕾 ミズキの樹 ミズキの冬芽 クマノミズキの樹 クマノミズキの幹

クマノミズキの冬芽 カラスザンショウの樹 カラスザンショウ:果実の抜け殻と枝の棘

3月5日(月))

 右奥へつづく道を進み始めると、下に広場が見え、沢山の子供たちが遊んでいた。「あの広場はどこなのだろうか」と考えたが、初めてのコースなのでよく分からない。更に遠くを見ると、坂道が見える。若しかしたらあの坂道が先日通った道かも知れないと思った。少しこの辺りの地図が分かってきたようだ。目を道端へ移すとピンクのウグイスカグラの蕾花が見えた。薄いピンク色で、花数が少なかったので、見逃すところだった。四季の森公園で見るのは初めてである。

 灰白色の大きな樹が見えてきた。縦方向に白っぽい筋模様が見えるので、ミズキではないかと思った。確認のため冬芽を見た。ここからは離れていたが、望遠でミズキの冬芽と分かる写真が撮れた。楕円形をした赤紫色の綺麗な冬芽である。

コナラやクヌギの林にシラカシが混ざってきた。シラカシは大きな樹で、葉を付けている。そのため、今まで明るかった道が薄暗くなってきた。このまま続くのだろうかと思っていると、道が上り坂に変わってきた。この坂道を上り切れば、今度こそは展望台へ出ると思った。間もなく周りが開け、前方上に展望台が見えてきた。ショウブ園から上るときは、直ぐにつくと思ったが、予想外に時間がかかった。

 展望台の南側の樹木は先日見ているので、北側の樹木を見た。今上がって来た坂道を見ると、左にコナラ、右にエゴノキが見える。

 エゴノキの右にはミズキがあり、道を隔ててヤマボウシのような樹が見える。冬芽を見ようと坂を下りた。冬芽を見ていると、「どうも変だ」と思った。冬芽は皆三角形で、下の幅が広めである。ヤマボウシの冬芽とすると、葉芽になり、花芽がないことになる。上空を確認したが、上空にも花芽はないようだ。花芽のないヤマボウシなどあるわけがないと思い、考え直した。これはヤマボウシではなく、はす池のところで見たクマノミズキではないかと思えてきた。それでも、この樹の幹は縦方苦に溝模様がないので、先程見たクマノミズキの幹とは違うように見える。もっといろいろな部分の写真を撮っておくべきだった。

 右の方に幹が滑らかな灰白色の樹が見える。上には何かが固まってついている。「キリ」の名前が浮かんできた。期待をしながらカメラを向けると、樹に固まってついていたものは蜂の巣の形をした果実の抜け殻であった。またその脇の枝には沢山の棘が見えた。この姿を見て、この樹はキリではなく、カラスザンショウの樹と分かった。

撮影:2月24日
  記  平成30年2月28日(水)
3月6日(火)
ムクドリ 寒紅梅 ハクバイ 八重寒紅か鹿児島紅? カラスザンショウの樹

カラスザンショウの小枝 ベニシダレ ベニシダレの冬芽 四季桜 四季桜の花

サンシュユ ヤマボウシ ヤマボウシの冬芽 カンザクラの冬芽 ジュウガツザクラの花

3月6日(火)

 展望台広場の坂を下りて行くと、目の前を1羽の野鳥が飛んで行き、地面へ下りた。「何の野鳥か」と考える前に飛んで行かないうちに写真を撮った。写真を見直すと、嘴と足がオレンジ色をしている。この姿からムクドリと分かった。ムクドリが1羽でいることは余り見かけないが、このムクドリは1羽のようだ。

 3時をまわり遅くなったが、四季咲桜を見ておかなくてはと、連絡地下通路を潜り、坂を下って行った。下りたところに井戸があった。先日はここから左の方へ曲がったので、この井戸の存在に気が付かなかった。ポンプには川本式と書かれていた。「水は飲めません」との表示があったが、ポンプそのものはそれほど古いものではないようだった。ここから前方を見ると、上の方にウメが咲いているのが見えた。わりと花数が多いように見えた。坂道を上って行くと谷側にハクバイ奥にコウバイが咲いていた。特に奥のコウバイは花数が多かった。奥のコウバイはピンク色のウメで、寒紅梅と表示されていた。

 谷側のコウバイは深紅の八重であった。コウバイは赤みが強い。八重のように見えるので、若しかしたら、八重寒紅か鹿児島紅かもしれない。

 山の広場の峠を越え、サクラの谷へ下りてきた。下りたところにカラスザンショウの樹がある。この冬芽を見ることが出来ないだろうかと、棘のある枝を注意しながら見たが、冬芽が何処にあるか分からなかった。再度挑戦したいと思っている。

 近くのベニシダレの冬芽を見た。シダレザクラの冬芽は枝に伏し、細長いのが普通だが、この冬芽にはやや丸みがかっているものが見えた。冬芽が開花へ動き出したのではないだろうか。

 四季桜は花期の末期になっており、数えるほどしか花が咲いていなかった。「遅かったぁ」と痛感した。それでもこの樹が小さく花が手に届く位置にあったので、写真に残すことが出来た。

 広場の坂を下りてくると、道の左側は樹木林になっている。その中にサンシュユの花が見えてきた。冬芽が開きかかり、黄色い蕾が見えるところはショウブ園で見たサンシュユとほとんど変わっていなかった。

 ヤマボウシが見えてきた。幹に灰白色の斑点があり、膨らんだ冬芽が付いているので、この樹は比較的分かりやすい。

 更に下って行くと、カンザクラが見えた。カンザクラは三ツ池公園でも見てきている。三ツ池公園では、冬芽が開き、中の蕾が出始めていた。ここのカンザクラもほぼ同じくらいになっている。

 ジュウガツザクラもある。三ツ池公園のジュウガツザクラはコフクザクラに名札が架け替えられてしまったので、ここのジュウガツザクラが今後の観察するサクラになる。八重で花が小さいことは分かるが、花数が少ない上、上の方にあるので、詳細が知り難いのが残念だった。

撮影:2月24日
  記  平成30年3月2日(金)