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平成30年度                                                           四季の森公園の植物へ
11月
11月1日(木)
ヤマザクラの冬芽 ヤシャブシの冬芽(雄花花序) マルバフジバカマ マルバフジバカマの果実 トリカブト

11月1日(木)

 この四季の公園のサクラというと、ソメイヨシノというよりヤマザクラになる。目の前にサクラの枝が出ている。枝先の冬芽を見ると、赤茶色で、細長の楕円形をしている。芽鱗には毛がなく艶があり、ヤマザクラの冬芽の特徴を示している。

 沢山ある木の中に、幹が黒みを帯びた樹が数本見つかる。こう言う樹は大抵エゴノキになる。この時期は、葉や花がないので、幹と冬芽で判断しなければならない。幹はエゴノキの特徴を示していたので、次は冬芽になる。この冬芽は小さくて分かり難い。写真を撮り、拡大すると、毛に包まれたエゴノキの冬芽の姿が出て来た。

 ここから先日、見つけたマルバフジバカマのところへ移動した。時刻は4時を過ぎ、あたりが暗くなってきたので、もうこの辺りには人がいなくなっている。よく見えるか心配になったが、せっかく来たのだから、この花だけは撮影しておきたかった。葉を見ると、ヒヨドリバナよりは多少横幅があり、区別が出来るようになってきた。花の中に萎れかかり、果実が出来ていそうなのがあったので、撮影してみた。毛の下にある弓型のものが果実になるのだろうか。果実の資料を探したが。下記の資料1しか見当たらなかった。資料1によると、「果実は痩果で、白色の冠毛があります」と説明されていた。すると、この写真がやはり果実になるようだ。

 更に、下記の資料2によると、「マルバフジバカマは、明治時代に渡来したもので、小石川植物園から箱根の強羅公園へ贈られたものが散逸して各地に広がった」と記述されていた。ここのハルバフジバカマもその1つだろうか。
 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2439.html
 資料2:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2439.html

 最後に、先日咲き始めたトリカブトのところへ行った。先程は湿地に咲きていたトリカブトを見たが、今度は今まで見て来た藪の中のトリカブトである。この近くの藪では、つい先日まで、湿地に咲くツリフネソウも咲いていた。やはりここは少し湿り気がある環境になる。ここのトリカブトは近くで見られるだけに迫力を感じる。このきれいな花が猛毒を持っているとは信じがたい。
撮影:10月20日
  記  平成30年10月25日(木)
11月17日(土)
崖に咲くツワブキ ツワブキの花 崖に咲くキク、名前は? キク、名前は?:花は八重のようである ノコンギク

ノコンギクの花 エゴノキの幹:艶がある エゴノキの葉と思って撮影した葉 葉:奇数羽状複葉 2段のつくりをした葉 先が2つに割れていない

コウヤボウキの花 コウヤボウキの花

11月17日(土)

  11月11日(日)、今日は、久しぶりに四季の森公園で自然観察会が行われることになっている。テーマは「今楽しめる里山の紅葉」である。まだ紅葉には少し早いが、様子を見るために参加してみた。

 少し早めに行き、里山付近を歩いてみると、石垣に黄色と白色の花が咲き誇っていた。黄色いのはツワブキと分かるが、白色はキクには間違いないが、キクの中の何になるのか、分からない。今頃咲いてくるキクにリュウノウギクがあるが、下記の資料のリュウノウギクを見ると、写真の花は八重で、舌状花の数が多い。
 資料:https://matsue-hana.com/hana/ryuunougiku.html

 ほたる川橋を渡り、里山へ上ってみた。この季節は、花は少ないが、「何があるだろうか」と見ながら上ると、ノコンギクと思えそうな白色の花が見えた。近づいて見ると、この花は中央の筒状花の色が薄いので、明らかにノコンギクとは違うと思った。ノコンギクでないとすると、この筒状花から察すると、シロヨメナかシラヤマギクになる。舌状花を見ると、細い花びらだが、欠けているようには見えない。葉を見ると、シラヤマギクにある大きな葉が見えない。シロヨメナの気がするが、葉に艶がない。葉の大きさを計測すると、長さ9cm,幅3cmであり、表面を触るとざらついた、花の直径は2.8cmあるので、ノコンギクの可能性が出て来た。近くに蕾が見られないところを見ると、ノコンギクの末期頃の花かもしれない。

 更に上ると、5本の幹が1束になった光景が現れた。幹の表面はいずれも艶があるので、基は同じ幹から出て来たものと考えられる。樹の名前が分からなかったので上空の葉を見た。葉は奇数羽状複葉をしていた。更にあたりを見ていると、「エゴノキ」の名札が掛けられているのが見つかった。「エゴノキだったかぁ」としばらく見つめた。エゴノキの幹は灰黒色で、表面が滑らかであることは知っていたが、葉についてはよく理解していなかった。エゴノキの葉について調べると、どうも撮影した葉はエゴノキの葉ではなさそうに見えてきた。上空に見えたものだから、見間違えた気がしてきた。再度、見直したい。

 この樹はカヤの樹ではないだろうか。以前、カヤとモミの違いについて調べたことがあるので、過去の資料を調べてみた。すると、下記の資料で、「モミ葉の先は2つに割れている」と書いているだけで、詳しくは書いていなかった。葉の先を見ると、「カヤは2つに割れていないが、モミは2つに割れている」ということになる。写真の葉は先が2つに割れていないので、カヤになる。カヤの葉軸を見ると、基につく葉が短く、次第に長くなり、最後は、短い葉で一旦終わっているが、再び、短い葉から始まり、次第に長くなり、最後は短い葉が開く形で終わっている。2段のつくりのようで、変わってつくりをしていると思った。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2055.html

 頂上付近に来ると、コウヤボウキが咲いていた。最初見た時、萎れた花のように見たので、「何の花が萎れたのか」と考えたが、思いつかなかった。そのうちよく見直すと、萎れた花ではなく、糸が絡まったような花であることが分かった。その時、この花は、先日舞岡公園で見たコウヤボウキであることを思いついた。あの時、葉が円形に近かったことが頭に浮かんだので、葉を見直した。やはり、同じ円形に近い葉をしていた。

撮影:11月11日
  記  平成30年11月15日(木)
11月18日(月)
ムラサキシキブの果実 ムラサキシキブの葉 ムラサキシキブの冬芽 サンシュユの果実 ミツバウツギの種子

マンサクの冬芽 集合風景

11月18日(月)

 ムラサキシキブが見えてきた。見ると、果実が沢山ついている。今迄、色々なところでムラサキシキブの果実を見て来たが、この時期にこれほど多くの果実をつけたムラサキシキブは見ていない。このムラサキシキブには、未だ葉が沢山ついている。葉があることから、果実が沢山残っているともいえそうだ。果実の数だけから考えると、コムラサキを思わせる。葉を見ていると、冬芽があるか知りたくなった。よく見て行くと、葉腋から伸びている冬芽が見つかった。この時期にしては、冬芽は大きいようだ。

 里山を下り、ショウブ園へ下りて来た。ここの広場には大きなケヤキの樹があり、窪地の斜面にサンシュユの樹がある。サンシュユの果実は赤く目立つので、近づいて見た。サンシュユの樹には変色した葉が沢山ついているので、果実が見難かったが、それでも、葉の隙間から覗くと、赤い果実が見えてきた。人の目が惹かれる色である。

 サンシュユから道を隔てたところにミツバウツギがある。先日は、果実の中を見られなかったので、今日は見られるだろと思い、1個採って割ってみた。中には表面に艶のある種子が2つ見えた。

 集合場所へ戻るために、右側の藪を見ながら進んだ。右側にマンサクがあるので、その冬芽を見た。冬芽を見た時、「おやっ」と思った。昨年見た冬芽と形が違っていた。昨年見た記録では、下記の資料で、「先が尖り、紡錘形をしているのは頂芽で、球状のものは花芽だという。芽鱗は2枚で、花芽には縦方向に溝が入っているのが分かる」と書いていた。写真に撮った冬芽はすべてが、球状でなく、細長い紡錘形である。この冬芽は葉芽なのだろうか。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2545.html

 12時50分頃、集合場所へ来ると、既にたくさんの人が集まっていた。テーマが「今楽しめる里山の紅葉」ということもあり大人に混じり、子供たちも参加していた。50人は超えているのではと思えた

。  開会式を終え、2つの班に分かれて、はす池の広場へ進み、ここで紅葉の起こる仕組みについての説明を受けた。

 葉には、もともと光合成色素が含まれている。その主なものは緑色のクロロフィルと黄色のカロテノイドである。葉が緑色をしているのは、クロロフィルという色素が黄色のカロテノイドより、強くはたらいているからである。落葉の時期が近づくと、クロロフィルは分解され、カロテノイドが残され、葉は黄色く変色し出す。これが黄葉になる。クロロフィルは分解され始めるとほぼ同時に、紅い色素であるアントシアンが新たに生成され、カロテノイドが減少し始める。そして、アントシアンが多くなると、葉は紅みを帯びてくる。これが紅葉になる。


 専門的な説明の後、2つの班に分かれて、実際に紅葉の様子を見にスタートした。

撮影:11月11日
  記  平成30年11月16日(金)
11月19日(月)
アキニレ ニシキギ はす池広場の紅葉 ハナノキ ナンキンハゼ

ナンキンハゼ コブシ コブシの冬芽

11月19日(月)

 配布された資料には、紅葉する木、黄葉する木、褐色する木として、下記の仲間が紹介されていた。
  紅葉する木・・・モミジ類、ニシキギ、ウルシ類等
  黄葉する木・・・イチョウ、カツラ、ヒメコウゾ、ムラサキシキブ等
  褐色する木・・・クヌギ、コナラ、ケヤキ、カシワ等

 今ここにあるのはアキニレで、葉が黄色くなり始めている。この樹は先日から見ているが、果実の表面が濃い褐色に変わり、かなり熟している様子が伺えるようになってきた。

 進み始めると、赤く染まった葉が見えてきた。これはニシキギで、土曜日に行われていた見どころ案内では、果実などをよく見て来た。まだ一部だが、日の当たりがいいところは早く紅葉するらしい。ニシキギは真っ赤に紅葉するので、その時は見応えがある。

 観察途中、はす池広場の紅葉を一望すると、ケヤキの紅葉が進んできていることが分かった。先程、見たアキニレはここからは黄緑色に見え、ケヤキとの対比が分かる

。  ハナノキを見た。この樹を初めて見た時、奥まったところにあり、あまり目立たない樹と思った。しかし、葉を見ると、トウカエデによく似ていると感じた。後で調べると、ハナノキには別名ハナカエデの名前が付けられていた。その時、やはりカエデの仲間と記憶にとどめた。トウカエデは紅葉する。このハナノキも紅葉するようだ。今は薄らと黄色くなっている。資料を見ながら、ハス池の周りの観察が始まった。
 資料:https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15896050.html

 ナンキンハゼのところで、説明があった。公園内にナンキンハゼの樹は、何か所かにありそうに思えるが、この1本しか見ていない。上空の葉を見ると、赤く染まり出しているが分かる。この葉は三角形をしているが、丸味がある。

 コブシを見ると、未だ葉が沢山ついており、その内の何枚かが、僅かに黄色くなり始めているところであった。場所によっては多くの葉が落ち、既に冬芽が出来ている。先日、この公園内の別の場所のコブシを見た時、大きな冬芽が見られたので、この樹の冬芽の成長を見ようと探したが、なかなか見つからなかった。そのうち、枝の先を望遠で覗くと、冬芽らしい姿が見えたので写真に収めた。すると、小さいが、確かに冬芽であることが分かった。

撮影:11月11日
  記  平成30年11月17日(土)
11月20日(火)
キブシの冬芽 ビワの花 ムラサキシキブの果実 ヌルデ ヌルデの虫こぶ

倒壊したシラカシ マンリョウ マユミを見る参加者

11月20日(火)

 配布された資料には、紅葉する木、黄葉する木、褐色する木として、下記の仲間が紹介されていた。
  紅葉する木・・・モミジ類、ニシキギ、ウルシ類等
  黄葉する木・・・イチョウ、カツラ、ヒメコウゾ、ムラサキシキブ等
  褐色する木・・・クヌギ、コナラ、ケヤキ、カシワ等

 今ここにあるのはアキニレで、葉が黄色くなり始めている。この樹は先日から見ているが、果実の表面が濃い褐色に変わり、かなり熟している様子が伺えるようになってきた。

 進み始めると、赤く染まった葉が見えてきた。これはニシキギで、土曜日に行われていた見どころ案内では、果実などをよく見て来た。まだ一部だが、日の当たりがいいところは早く紅葉するらしい。ニシキギは真っ赤に紅葉するので、その時は見応えがある。

 観察途中、はす池広場の紅葉を一望すると、ケヤキの紅葉が進んできていることが分かった。先程、見たアキニレはここからは黄緑色に見え、ケヤキとの対比が分かる

。  ハナノキを見た。この樹を初めて見た時、奥まったところにあり、あまり目立たない樹と思った。しかし、葉を見ると、トウカエデによく似ていると感じた。後で調べると、ハナノキには別名ハナカエデの名前が付けられていた。その時、やはりカエデの仲間と記憶にとどめた。トウカエデは紅葉する。このハナノキも紅葉するようだ。今は薄らと黄色くなっている。資料を見ながら、ハス池の周りの観察が始まった。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2790.html

 ナンキンハゼのところで、説明があった。公園内にナンキンハゼの樹は、何か所かにありそうに思えるが、この1本しか見ていない。上空の葉を見ると、赤く染まり出しているが分かる。この葉は三角形をしているが、丸味がある。

 コブシを見ると、未だ葉が沢山ついており、その内の何枚かが、僅かに黄色くなり始めているところであった。場所によっては多くの葉が落ち、既に冬芽が出来ている。先日、この公園内の別の場所のコブシを見た時、大きな冬芽が見られたので、この樹の冬芽の成長を見ようと探したが、なかなか見つからなかった。そのうち、枝の先を望遠で覗くと、冬芽らしい姿が見えたので写真に収めた。すると、小さいが、確かに冬芽であることが分かった。

撮影:11月11日
  記  平成30年11月17日(土)
11月21日(水))
ガマズミの果実と虫こぶ シナサワグルミの果実 ニワトコの冬芽 マユミ ナツツバキの黄葉

サザンカ 解散式:モミジ」の歌をハーモニカの演奏で大合唱

11月21日(水)

 芦原湿原の一番奥へ来た。ここにはガマズミがあり、赤い果実をつけていた。この赤い果実もよく目立つ。赤い果実の中に、果実が変形し、カビが生えたようなものが見える。これは虫こぶのようだ。この虫こぶについては下記の資料で調べたことがある。虫こぶは虫えいとも言うようだ。
  資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1436.html

 道を隔てたところに大きな樹がある。ヒメグルミ、シナサワグルミである。そのうち、シナサワグルミの果実について説明があった。ヒメグルミは樹上に楕円形の大きな果実をつけるが、シナサワグルミは全く違った果実をつける。シナサワグルミの果実はひも状の花序に小苞に包まれた小さな果実をつける。この姿は以前見て来た(資料)。若しかしたら、下に落ちているかもしれない。というので、何人かが探し拾い上げた。黒っぽく変色していたが、小苞に包まれた果実の姿が見えた。
 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2749.html

 ここからは芦原湿原を逆向きに進み、ショウブ園の方へ進み出した。左側の芦原湿原は枯れ始めたヨシであふれている。右側の細長い湿原には、つい先日までツリフネソウやキツリフネを見ることが出来た。この湿原から出ているニワトコを見た。今は冬芽が出来ている。葉腋に出来るニワトコの冬芽は大きい。丸い形で、既に外側に緑色の部分が見えている。

 先程よく見えなかったマユミの果実が見えてきた。マユミの果実は四角形で中に4個の果実が入っている。既に割れ目から開き始め、中の赤い種子が見えているものもあった。

 ショウブ園へ入って来た。入り口近くにあるツリバナは葉を落とし、何の樹か分からなくなっている。この奥に1本のナツツバキがあり、葉が黄色くなっていた。ここは暗く、写真写りが悪いが、1枚撮影しておいた。

 角に赤いサザンカが1輪咲いていた。季節が冬に入り、そろそろサザンカの季節になりそうだ。  ショウブ園で2つの班が合流し、解散式になった。解散式では「モミジ」の歌をハーモニカの演奏で大合唱した。テーマの「今楽しめる里山の紅葉」には少し早かったが、色々な植物や冬芽を観察し、実りの多い観察会になった。

撮影:11月11日
  記  平成30年11月17日(土)